蔵前バイオ通信57号(2019年5月31日)

令和時代最初のメールマガジンである蔵前バイオ通信 第57号をお届けします。

今回も、私たちの活動状況と自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。是非ご活用ください。私たちの活動に興味をお持ちの方の参加をお願いします。

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. 熱エネルギー研究会(進藤)
  4. 林業システム研究会(篠崎)
  5. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  6. 竹林プロジェクト(篠崎)
  7. ホームページによる情報発信

  • 1.活動トピックス
    ●2019年度の通常総会を5月22日に開催しました。年1回の総会で、審議案件、報告案件について承認されました。承認された報告類は順次HPにアップします。また、総会概要は理事長報告をご覧ください。
    ●4月例会後に勉強会を開催しました。
    講師 加藤 亨氏 加藤亨技術士事務所所長、蔵前バイオエネルギー会員
    議題:最近気になるITキーワードの解説
    その1 IoTに関連したキーワード
    その2 AIに関連したキーワード
    その3 デジタルツイン?
    現在、急速に進歩しているIT(情報技術)を3つのキーワードで、講演していただいた。様々な分野で人々の生活を根本から変える可能性を秘めたAI、第4の産業革命といわれるIndustrie4、さらにデジタルツインなど分かり易い講演でした。我々の活動もIT抜きには考えられない状況にあることを痛感した次第です。 

2.技術情報検討会(吉川)
 水素は燃やしてもCO2を発生しないので究極のクリーンエネルギーだと言われています。そのため、水素エネルギー社会の実現を急ぐ活動も多く、新聞等の情報も概ねこの方向に沿って報道されています。 (日経2019/3/31他)
技術情報検討会ではこれらの記事について掘り下げてみました。確かに水素自身はクリーンですが、水素を製造する過程ではどうでしょうか。再エネ電力による電解法なら問題なさそうですが、現実は大部分の水素は石炭、石油、天然ガス由来であり、製造時に大量のCO2を発生しています。また、大量輸送のためには超低温液化が必要ですし、自動車で使うには超高圧化するなど、輸送、貯蔵時の設備費、エネルギーロスも問題です。
水素エネルギー社会を目指すには、製造から消費までのライフサイクルでこれらの値がどの程度なのか明らかにすべきであるとの意見です。

3.熱エネルギー研究会(進藤)
 日本では2016年から電力小売全面自由化となり、エネルギーの地産地消や地域密着型サービスを前面に打ち出す自治体出資の新電力会社(自治体新電力)が進展しています。ドイツでは「シュタットベルケ」と称し、地方自治体が主体となり、電気・ガス・熱などのエネルギー供給および上下水道、廃棄物処理などの公共サービスを行う事業体が約1000社あるとの報告もあります。日本では、自治体が一部出資した事業体が、地域の再生可能エネルギー等による電力を一般家庭や公共地域などに販売し、利益は公共サービスなどへ還元している事例がいくつかあり、これらを検討しました。この様な地域のエネルギー需給の自立化は今後の一つの方策と考えられます。

4.林業システム研究会(篠崎)
 Kシステムが新たな展開を始めました。デモで好評を博しました。詳細は次項にて述べます。竹林プロジェクトでは基本的な開発案件が明確になり、次の目標が作られるようになりました。
①開発したDECA2の実験で大幅なコストダウンが達成できました。
②ポーラス竹炭を用いた商品開発と販売戦略の確立は道半ばです。
③ポーラス竹炭の規格制定は未着手です。
勉強会を活用しながら、いずれも完成に向かって進んで行きます。

5.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
4月8日から18日に神奈川県湯河原の35度以下の斜面の列状間伐で伐倒された全木の揚げ荷集材にKシステムを試用していただきました。スイングヤーダでも手こずる130mの傾いた斜面での試用で、チェーンの張り方にてこずったり、途中で途切り株に懸かったりしましたが、荷掛をする作業者と荷外しをしてグラップルで引き出す作業者の二人作業で連続して集材することが出来ました。
林業関係者が多数見学に来られましたが、まだ改良すべきところがあるが「十分使えるシステム」だとのコメントを戴きました。これから生産販売の話を進めて行く予定です。

6.竹林プロジェクト(篠崎)
①機器の開発:DECA2の開発実験は成功しました。
②システム開発:集材用キャップの独自開発の目途が立ちました。
③ポーラス竹炭の商品開発:案が出つつあります。
④活動範囲:連携NPO法人の努力で関東の各地で活動が広がりつつあります。
⑤ポーラス竹炭の規格化:生産者がまず作って、それを公に認めてもらうのが手順であることが解かりましたが、具体的活動はまだです。

7.ホームページによる情報発信
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。および会員の研究ノートです。

  1. 英国2030年に電力の3分の1を洋上風力発電で賄うと発表 2019/05/20 荒川英敏
  2. 「日本神話はいかに描かれてきたか」及川智早著 2019年5月13日 吉澤有介
  3. すべての医療は「不確実」である 康永秀生著 2019年5月6日 吉澤有介
  4. 「記憶力の正体」-人はなぜ忘れるのか 高橋雅延著 2019年5月4日 吉澤有介
  5. 「老年について 友情について」キケロー著大西英文訳 2019年4月17日 吉澤有介
  6. 「すごいインド」-なぜグローバル人材が輩出するのか-サンジーヴ・スインハ著 2019年4月12日 吉澤有介
  7. 「絶滅の人類史」 更科 功著   2019年3月17日 吉澤有介
  8. 「万葉集で解く古代史の真相」小林恵子著 2019年4月8日 吉澤有介

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)(https://www.kuramae-bioenergy.jp/)

総会後の懇親会、より積極的な、新時代令和にふさわしい活動を誓った。

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