令和時代のメールマガジン蔵前バイオ通信 第59号をお届けします。
暑い夏もようやく終わり、快適な季節になりました。私たちも8月の充電期間を得て、9月から実活動を再開しました。私たちの活動状況と自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。是非ご活用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方の参加をお願いします。
蔵前バイオ通信 第59号 2019年10月15日
*******************目次 ***************************
- 活動トピックス
- 技術情報検討会(進藤)
- 事業化検討会(岸本)
- アルジェ研究会(廣谷)
- 熱エネルギー研究会(進藤)
- 林業システム研究会(篠崎)
- Kシステム開発プロジェクト(米谷)
- 竹林プロジェクト(篠崎)
- ホームページによる情報発信
1.活動トピックス
- 10月18日、蔵前工業会主催、蔵前バイオエネルギー共催で「持続可能なプラスチックの資源循環に向けて」をテーマに「2019年度蔵前工業会バイオマスセミナー」を開催します。ご参加ください。詳しくは下記のURLにアクセスしてください。当日受付もしています。https://kuramae-bioenergy.jp/2019/08/31/2019seminar/
- 10月29日、FG21主催「竹林整備・ポーラス竹炭シンポジウムin群馬」を開催します。場所は群馬県憩いの森 森林学習センターで、13~17時です。
竹林整備からポーラス竹炭の活用まで、3年間の総決算をします。下記URLで確認できます。http://www.fg21.org/newtopic.html
- 9月例会後に勉強会を開催しました。
講師 岸本直彦 氏 蔵前バイオエネルギー会員
議題:経営戦略論 私的概論
企業の経営戦略論は、規模拡大や成長を目的としたポートフォリオ戦略、多角化戦略論などを経ながらポジショニングによる競争戦略理論、経営資源に基づく競争戦略理論、”イノベーションのジレンマ”など多彩な議論展開がされてきたこと。また ”形式知と暗黙知”(野中郁次郎)、”摺合せ技術論”(藤本隆宏)などの優れた国内研究者による経営戦略論などが紹介された。 - 10月例会後に勉強会を開催しました。
講師 河野通之 氏 蔵前バイオエネルギー会員(NPOインテリジェンス研究所理事)
議題: ペニシリン開発から~タグチメソッド誕生~ 品質工学開発者の物語
田口は上司の増山から「森永薬品でペニシリン生産工程改善の研究」の手伝を依頼され、これは田口初の「実験計画法」の実践例でした。研究は森永薬品の事情により中止となりましたが、田口はこれをきっかけに品質管理にはまり、現場のニーズに合わせ、実験計画法にプラスし、直交表利用によるQCコントロールに展開して行きました。国内でも品質工学会で発展・成長していますが、米国ベル研のLSI開発に関して、田口提案の手法が驚くような結果をもたらし、世界の頭脳集団が驚愕したのでした。同手法は自動車分野にも大きく貢献し、田口は日本人3人目の米国自動車工業会殿堂入となりましました。
さらに、インドの統計学者マハラノビス博士と組み、統計工学の見方を加えた総合計測法は「MTS法」と呼ばれ、現在、例えば、健康診断、IoTの基礎、ソフトウェア開発のバグだしなど多分野にわたり使われています。
2.技術情報検討会(進藤)
環境省は2020年度の税制改正要望で、CO2の排出量に応じて税を課す「炭素税」を導入する方針を決めました。政府は、地球温暖化対策の国際枠組みとして、2050年までに80%の温暖化ガス排出量を削減し、今世紀後半の早い時期までに実質ゼロにする目標を掲げています。この達成には新たな対策が必要との方針です。近年、温暖化対策に消極的な企業から投資を引き上げる動きが強まり、これまで反対が多かった産業界では、業種により差があるものの炭素税に肯定的な意見も出始めた様です。税制改正要望には、温暖化ガスの排出に負担を求める「カーボンプライシング」も盛り込むとの事です。欧州ではカーボンプライシングで先行しており、約20か国がすでに炭素税を導入済です。
3.事業化検討会(岸本)
1.ポーラス竹炭の用途開発・市場開拓活動について
私たちが開発したポーラス竹炭を資源循環の観点から有効利用するため、用途開発・市場開拓の活動を進めています。現在進めている主な活動は以下の通りです。
①屋上緑化基盤資材としての用途として: 屋上緑化基盤材としてポーラス竹炭の性能評価試験を千葉工業大学石原准教授の研究室にお願いしています。現在試験中です。
②土壌改良材としての用途として: 竹炭は土壌中の微生物の増殖および野菜等の収量増効果があるとされており、農研機構を訪問し増殖のメカニズムやATP測定方法等について情報収集を予定しています。
③海域や河川の浄化用途として: JFEなどの鉄鋼メーカーは鉄スラグを海域の浄化等に利用しています。スラグにポーラス竹炭を加えて浄化機能の向上が図れないかと現在JFEとコンタクトを図っています。
2.横浜市の環境活動関連について
NPO法人登録地横浜市における活動のため、横浜市が展開している各種環境活動(例SDGs×横浜×テクノロジー ワークショップ等)に参加、情報の収集等を行う予定です。
4.アルジェ研究会(廣谷)
バイオジェット燃料について議論を進めています。バイオ燃料比10%以上のジェット燃料を使用しないと2020年以降はEUの空を飛べません。現在、日本以外では、米国など20ケ国が同燃料を用意しています。日本で同燃料生産の営業操業は2025以降と言われています。
日本ではユーグレナ社が積極的に取り組んでいます。同社は58億円投入してユーグレナを原料にバイオジェット燃料を125kl製造しました(2018.10)。1万円/ℓですが、国家目標は100円/ℓ以下です。株主総会で出雲社長は350億円投入し、様々な工夫をこらして180億円で5.4万kl出来るとの考えを示しました。また、IRシンポジウムで永田取締役が350億円で出来るのは25万kl、コストは1/100に出来ると言っています。アルジェ研では藻池培養の場合について、藻池の面積がポイントで、1,419万平方メートルと試算しました。ユーグレナには秘策が有る様に感じ期待しています。
5.熱エネルギー研究会(進藤)
家庭用太陽光発電のFIT期間(10年)が、今年11月以降に順次終わるのをにらみ、この「卒FIT」電力を買取り、安定調達や集客につなげたい電力会社や新電力・小売会社などの企業が相次いでいます。「卒FIT」の発電容量は19年度で200万kWあり、23年度では670万kWにもなる見込みです。大手電力会社は、日本卸電力取引所(JPEX)の価格を目安に約7~9円/kWhを設定しています。一方、パナソニック等は蓄電池等の機器を購入した家庭は最大16円/kWh、旭化成ホームズは自社物件かつ蓄電池購入家庭は12円/kWhとし、大手電力より少し高い余剰電力の買取り価格を提示しています。欧米ではFIT等の優遇策が縮小・廃止され売電するメリットが薄れ、家庭では蓄電池を設置して夜間でも使える自家消費型が普及している様です。日本では、まだ蓄電池が高いので今後の動きが注目されます。
6.林業システム研究会(篠崎)
(1)実用化に大きく近づいたKシステムの開発状況が報告されました。
(2)FG21主催のポーラス竹炭シンポジウムのチラシが刷り上がり、配布されました。
(3)ポーラス竹炭の販促活動が種々紹介された。まだアプローチ中のものばかり。
7.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
本年4月の湯河原における公開試用の後、開発から実用化への動きが加速しています。現在、森林研究所、建機メーカーとの連携を進めるべく調整中です。また、実作業に使用したいという要望が寄せられ、それに向けた準備と試用時に指摘された本体の課題の改良設計、および必要な周辺機器を使用した課題解決方法の開発を進めています。
8.竹林プロジェクト(篠崎)
(1)竹林整備用先導キャップのイメージが確定したので、実用新案申請を目指す。
(2)土壌改良剤の効果を定量的に把握するため、ATP測定器を利用するべく折衝開始(3)ポーラス竹炭を工業的にも活用できるよう、活性炭メーカーにアプローチ中
(4)12月初めのエコプロダクツ展の準備を開始した。今年は単独ブースとなる。
9.ホームページによる情報発信
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の評論・提言・主張および情報紹介です。サロンの話題
「お殿様、外交官になる」 熊田忠雄著 2019年10月8日 吉澤有介
「不自然な宇宙」須藤 靖著 2019年10月1日 吉澤有介
「フォッサマグナ」藤岡換太郎著 2019年9月25日 吉澤有介
「クモの糸でバイオリン」大崎茂芳著 2019年9月18日 吉澤有介
「イラン人は面白すぎる!」エマミ・シュン・サラミ著 2019年9月15日 吉澤有介
「天才と発達障害」岩波 明著 2019年9月13日 吉澤有介
「恐竜博士の めまぐるしくも愉快な日常」真鍋 真著 2019年9月8日 吉澤有介
「日本最初の前方後円墳はどのように作られたか」 2019年9月2日 福島 巖
「カラス博士と学生たちのどうぶつ研究奮闘記」杉田昭栄著 2019年8月25日 吉澤有介
「間宮林蔵・探検家一代」 高橋大輔著 2019年8月22日 吉澤有介
「戦国日本と大航海時代」平川新著 2019年8月20日 吉澤有介
「世界史序説」岡本隆司著2019年8月16日 吉澤有介
「城の科学」 萩原さちこ著 2019年8月8日 吉澤有介
「ヒトがいまあるのはウィルスのおかげ!」 武村政春著 2019年8月1日 吉澤有介
「生きものの世界への疑問」日高敏隆著 2019年7月25日 吉澤有介
再生可能資源情報
「土 地球最後のナゾ」 藤井一至著 2019年8月31日 吉澤有介
英国、全党議会グループがエタノール混合燃料E10の導入を推進 2018/8/2 荒川英敏
特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)(https://www.kuramae-bioenergy.jp/)
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
キャンパスイノベーションセンター801号室
ご質問等は本メルマガの返信メールでお寄せください。