蔵前バイオ通信 第81号2023年11月15日

メールマガジン蔵前バイオ通信 第81号(2023年11月15日)をお届けします。
9月から対面、オンライン、現場と多様な、エネルギーに満ち溢れた活動を展開して参りました。バイオマスセミナーや南都留森林組合訪問など、対面での活動も増えてまいりました。今回も、私達の活動状況と、自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加を期待しています。ホームページより連絡ください。

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス(編集部)
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. アルジェ研(廣谷)
  4. 熱エネルギー研究会(進藤)
  5. 林業システム研究会(篠崎)
  6. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  7. 竹林プロジェクト(篠崎)
  8. ホームページによる情報発信(編集部)

1.活動トピックス(編集部)
第13回 バイオマスセミナーを11月7日に開催しました。
コロナ禍により中断を余儀なくされていたバイオマスセミナーをKVS主催、当NPO共催
東工大蔵前会館1階「ロイアルブルーホール」(東急大岡山駅前)及び、オンライン配信(Zoom使用)で開催しました。
時機を得たテーマ「脱炭素社会とバイオマスの役割」と東工大加藤之貴教授、ENEOS柳川真一朗氏による高度な講演より、会場で55名、オンライン約100名と盛況で、講演会終了後、2名の講演者も参加して懇親会を開催、活発な交流が行われました。
2023年エコプロへの出展
今年もエコプロへ(2023年11月6日~8日、東京ビッグサイト)出展いたします。展示はKシステムに特化して、模型を使用してその特徴・対象作業などのPRを行います。また、エコプロ訪問者の多数を占める、将来の日本を担う子供たちの社会学習を助ける、活動も同時に行います。
第三回 公開講座「水と環境」開催
12月9日に開催いたします。ふるって参加ください。詳細は下記URLをご覧ください。
イベント、公開講座、講演会 開催案内 – NPO法人蔵前バイオエネルギーNPO法人蔵前バイオエネルギー (kuramae-bioenergy.jp)

2.技術情報検討会(吉川)
化学業界は日本のCO2排出量の約6%を占める産業分野で、CO2排出量削減を迫られており、革新的技術の開発やビジネスモデルの修正を急いでいます。以下は、CO2の回収と回収したCO2を原料としてグリーン化学品を製造する技術開発などに取り組む動きです。
・三井物産や三菱ケミカルなどが、基礎原料石油由来のエチレンからCO2とグリーン水素を原料として製造したメタノールへ変換し、各種の樹脂の原料とする計画を進めています。
・カネカ、積水化学、ランザテックなどは、CO2を原料に合成樹脂を製造する過程で、微生物を使うことにより反応に必要なエネルギーを大幅に減らす技術を開発し、事業化を図っています。
・その他、触媒技術によりCO2をエタノール経由ブタジエンに変換してタイヤ原料とするトーヨータイヤ、化学反応を電気分解技術に変えるSECカーボン、新しい反応経路で原料を変え樹脂を製造する三菱ガス化学、電解を利用して水とCO2からエチレンを製造する旭化成とUBE、そしてCO2を吸収するコンクリートを開発する鹿島などがあります。 しかし、これらの技術は、原料をCO2に変更する際、概ね大量のグリーン水素を使用することが前提となっているために、グリーン水素の調達方法が今後の課題となります。

3.時事問題 中国EV車は日本で売れるか(アルジェ研(廣谷))
中国電気製品は多少難しい製品でも日本で売られるようになって来ました。私は「ヨドバシカメラ」で「電気髭剃り」買おうとしました。店の表に売られていたのは中国品でした。その掃除をする時にキャップを外すがその操作が難しく、結局隅っこにある日本製品に決めってしまいました。
日本は将来中国EV車で溢れる可能性が有るか如何かです。日本で外車を販売する中国のBYD社はEVに力を入れ、日本向けに開発を始めた様です。中国決定版ドルフィンの販売価格は363万円(税込み)ですが補助金で298万円となります。距離は400㎞走り、別種のATTO3は430万円、500㎞です。
日本EV車と比較すると日産EV「サクラ」は250万円、200㎞であり、距離が短い。「リーフ」は420万円、320㎞で価格は高いし距離も短いのです。「アリア」550万円、500㎞は立派であるが高級車です。トヨタとSUBARU共同開発した「ソルテラ」は580万円、600㎞でなかなか手が出ません。日本製品10種あるが試しに運転して見て欠点が有るか調べる必要を勧めます。参考;ヨミウリ、2023.9.17.朝刊

4. 熱エネルギー研究会(進藤)
浸透圧発電についての報告がありました。海水(塩水)と淡水とを半透膜で仕切り、浸透圧で淡水が海水の方に浸透する浸透力を利用して、海水側の流体により発電機のタービンを回し、電力を得る新しい発電の仕組みです。この発電方法は、太陽光や風力の様な時間変動が少なく、安定した電力の供給が可能となる再生可能エネルギーです。
福岡市では日本初となる浸透圧発電を2025年に実用化すると発表しました。福岡市東区に海水淡水化施設があり、そこで真水を取りだした後の濃縮海水(塩分濃度約8%)と下水処理水(排水)からの淡水を使い、浸透圧発電をする計画です。発電規模は110kWで、この施設で再生可能エネルギーとして使用する予定です。また、、将来的には塩分濃度が約3.5%の普通の海水での発電も目指しています。
浸透圧発電の技術開発は、東工大の谷岡明彦教授が約20年前からリードしてきました。谷岡教授らは、福岡市の淡水化施設の濃縮海水と淡水を使い、半透膜の単位面積当たりの適正発電量を実証試験により算定し、商用化条件を導いています。

5.林業システム研究会(篠崎)
(1)12月6~8日開催のエコプロが近づいてきました。今年はKシステムのPR展示を主体にすることにして準備を進めています。多くの関係者のブース立寄りを期待しています。
(2)友人と富山県を旅行した際に「ナラ枯れ」の光景を探したのですが、1本も見つかりませんでした。日本海側から始まったはずですが、すでに収まったのか確認中です。
(3)早生桐に関する打ち合わせをNPOや企業とで打ち合わせを行いました。今回は開発者を知る人からの情報を収集しました。次回は早生桐林の実際の場所を見学します。

6.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
・岡山在住会員大河氏の紹介で、真庭の林業機械の販売会社「第一東洋」木下社長がKシステムに興味を持ち、意見・質問がありました。Kシステム詳細説明を行い、真庭の森林の状況、集材方法を聞くことができました。今後、具体化の打合せを行ってまいります。
・山梨県南都留森林組合杉本組合長を訪問、組合長は伐倒・集材・造林作業を同時に進められる方式を模索していて、Kシステムに興味を持っています。当日、対象となる山林を見学、Kシステムの特徴が生かせる山林でした。実行方法を打ち合わせ進めていきます。
・11月に飯能市にて、大河原木材大河原社長、岡部税理士、若手の西川ラフターヅ若林氏(西川森林組合を退職して起業)の参加を得て、飯能市の林業の状況把握・意見交換。Kシステムの近況を動画で紹介後、最近の飯能の状況の聴取、山林放棄希望山主の増加、林業・製材事業の衰退、森林組合の古い体質、など問題山積状況解決は進展ありませんでした。今後は、放棄希望の山主からの所有林(放置林)の買い取り、それのKシステムを使用する再生作業、関東近隣地域との連携、プロの作業者を育成する教育施設の設立などの課題解決を大河原氏、岡部氏、関係者、K-BETSが支援し、若林氏を中心として進めていくとしました。

7.竹林プロジェクト(篠崎)
(1)「竹精」はアルジェ研に主宰を移行しました。専門的になってきたからです。最近、面白い分野を体験しました。それはノンアルコール・ワインです。これを竹精にしたらどうでしょうか?
同様にノンアルコール・ビールやジンジャーエールにも竹精を考えましょう。
(2)ポーラス竹炭の連続式大量生産方式を検討中です。斬新なアイディアを募集します。
(3)ポーラス竹炭の性質のうち、まだ解明していない性質があります。それは熱伝導率です。今後資金を得て測定したいと考えています。
(4)竹林プロの活動に積極的に推進された福島巌特別顧問が亡くなったことを受けて「顕彰文」を作成しました。ご遺族に贈るとともに、ホームページに掲載したいと考えています。

8.ホームページによる情報発信(編集部)
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の活動報告・評論・提言・主張および情報紹介です。
サロンの話題・調査・活動報告 (ダブルクリックでリンク先情報が表示されます)
「イスラムがヨーロッパ世界を創造した」—歴史に探る「共存の道—2023年11月16日 吉澤有介
「ニッポンの氷河時代」—化石でたどる気候変動—2023年11月8日 吉澤有介
「植物誌」   2023年11月3日 吉澤有介
塩野七生「ローマ人の物語」スペシャル・ガイドブック2023年11月1日 吉澤有介
「偉大なる失敗」 2023年10月20日 吉澤有介
「昆虫たちのすごい筋肉」-1秒に1000回羽ばたく虫もいる-2023年10月16日 吉澤有介
「野鳥物語」 夏―初秋編 2023年10月宮地利彦
「ニギハヤヒと先代旧事本紀」-物部氏の祖神–2023年10月11日 吉澤有介
「雑草という戦略」-予測不能な時代をどう生きるか- 2023年10月6日吉澤有介
「山火事と地球の進化」  2023年10月3日 吉澤有介
「量子で読み解く生命・宇宙・時間」 2023年9月15日 吉澤有介

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)
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