蔵前バイオ通信 第76号 2022年11月15日

メールマガジン蔵前バイオ通信 第76号(2022年11月15日)をお届けします。

現在私達の活動はリモート会議スタイルが主体です。コロナ禍で普及したリモート会議システムは、参加者が自宅で参加できる、移動の時間が無駄にならない、遠方からも参加できる、多数が同時に参加できるなど多くの利点があります。一方、コロナ禍は医療体制も整い、落ちついて来て、現場で行う活動、対面での活動などが可能な状況になってまいりました。とはいえ、第8波が到来しつつあり、気を抜くことはできません。今後は、リモートと現場・対面との最適な組み合わせで活動を進めていく予定です。
今回も、私達の活動状況と、自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加を期待しています。ホームページより連絡ください。

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス(編集部)
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. 事業化検討会(岸本)
  4. アルジェ研究会(廣谷)
  5. 熱エネルギー研究会(進藤)
  6. 林業システム研究会(篠崎)
  7. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  8. 竹林プロジェクト(篠崎)
  9. ホームページによる情報発信(編集部)

1.活動トピックス(編集部)

  • エコプロ2022出展準備
    今年も、東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2022」にNPO蔵前バイオエネルギーとして出展します。今年は、毎年開催されるエコプロを社会勉強の場として訪れる多数の小中学生たちに技術者集団としての情報を提供し、学習をサポートいたします。また、林業に関連する他の出展グループとの交流を深め、SDGsの活動に貢献して参ります。 

2.技術情報検討会(吉川)
電気自動車(EV)の次世代を担うと言われている全個体電池の実用化が間近といわれています。その仕組みや利点、開発上の問題点などについて新聞の解説記事やネット情報などで調べてみました。全個体電池は理論上エネルギー密度を現在のリチウムイオン電池に比べ3倍程度に上げることができ、小型化あるいは大容量化が可能となります。また、現行の液体電解質のデメリットである蒸発、分解、液漏れなどの心配もなく安全性も高いようです。開発上の問題は電極間のリチウムイオンの移動抵抗が小さく、電解液と同等以上の伝導性をもつ材料の開発です。EVへの活用を目指す自動車メーカーや素材メーカーの動きが活発になっています。
このほか、リチウムやニッケルなどの再エネ蓄電池などに使われる資源の世界の動きについても調べてみました。脱炭素化需要で獲得競争が激化しています。

3.事業化検討会(岸本)
事業推進検討会では、毎月提案された案件やテーマについて、その進捗状況や内容の確認を行っています。最近では対外情報発信活動では本年12月のエコプロ2022での出展や、来年2月以降開催予定の公開セミナー「水の歴史100選」(仮題)の活動内容が決定されました。
また調査活動ではK-BETSが横浜市に登録しているNPOでもあり、都市型バイオマス資源の有効活用として公園や街路樹などの剪定枝等の有効活用方法について、関連企業とのZOOMヒアリングや種々の調査を継続して行っています。この活動を通じて、今後新たな提案ができることを期待しています。

4アルジェ研究会・CO2をエネルギーに(廣谷)
日本は2050年にはエネルギー源の石炭、石油を使った後などのCO2をゼロにしようとしています。従ってCO2が出ない様に工夫しています。原発は有効ですが地域市民が納得せず、又太陽電池は面積の限界と蓄電池限界があり、風力は力がありません。石炭、石油にお別れする事はなかなかできません。一つCO2をエネルギーに変えるのはどうでしょうか。それをやったのがLanza Tech社(米)です。その会社はベンチャ-であり、三井物産が資金を出し権利を獲得しています。バクテリアの遺伝子組み換えでCO2を原料でアルコ-ルを造り、それを基にしてSAF、プラスチックスを造りました。日本にはまだイースト、カビ等の遺伝子組み換えの系統的研究を実施した人はいません。IHIはシンガポ-ル科学技術研究庁傘下のISCE2と契約し、CO2と水素から触媒を使ってSAFを造ろうとしています。石炭ボイラ-、重油ボイラ-、ゴミ燃焼、プラスチック焼却の煙突にはCO2が出て来ます。溶鉱炉からCO2が出て来ます。セメント製造からCO2が出て来ます。それをエネルギーにしたいものです。

5.熱エネルギー研究会(進藤)
政府は30年度の再生エネの発電量割合を全体の36~38%にする目標に高めました。一方、太陽光などの変動電源は、電力の供給が需要を超えた際には発電を抑制する出力制御が生じます。大手電力10社が30年頃の1年間の再エネ発電量に占める出力制御の割合を試算した結果、北海道、東北、九州では3割から4割の発電が抑制されることになり、再エネ導入は地域需給に大きく依存している事が明らかになりました。これは日本の送電網が地域ごとに独立性が高くなっているからと思われます。出力制御が起きれば実際の再エネ発電量は減り30年の目標達成が難しくなります。解決策として、出力制御を減らす試算では、地域需給を基に余剰電力を連系する広域送電網の増強が効果大となっています。経産省は地域送電網増強の計画を22年度中にまとめるとしています。

6.林業システム研究会(篠崎)
①補助金や助成金を申請しましたが、今のところ採択されておりません。
②学会発表は生態工学会と日本建築学会の両方で実施しました。
③竹イノベーション研究会のセミナーでPR紹介し、熊本県から講演依頼が届きましたので11月22日に講演すべく準備中です。
④今年も12月初旬のエコプロ展に出展するため、出展者オンライン説明会に参加し、第1回準備会を新しい体制で開催しました。
⑤K-システムの作業交信システムの改良が報告され、交信可能距離が従来の約2倍になりましたので、作業の効率化と安全化が期待されます。
⑥コロナ禍の活動に十分注意しておりますが、普段の生活での感染者や怪我人が発生しています。安全にはさらに気を配る必要があります

7.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
10月にKシステムの生産性に大きく寄与する無線操作の可能距離の確認と長距離化への高利得アンテナの有効性を確認するテストを八ヶ岳山麓のカラ松の人工林の皆伐現場で実施しました。
見通しの良い直線道路では現行のアンテナでも300mの送受信が可能なことが確認でき、森林の中では現在のアンテナの限界である100~150mが高利得アンテナでは200mまで延長できることを確認できました。これはKシステムの集材距離200mまでという仕様に対応できるレベルです。一方、高利得アンテナでも地面の起伏によっては短距離でも通信ができない場合も確認され、実作業時には現場の地形に応じたアンテナの適切な位置への設置と通信状況の確認を作業開始前に実施することが必要です。これからはV滑車の改良とKフックの改良に取り組んでまいります。

8.竹林プロジェクト(篠崎)
今年度の活動方針に対する現状の進捗は以下の通りです。
①活動資金獲得のため助成金申請を行う。➡いまだ成功せず。
②DECA2販売を実現する。➡代理店を1社決定し、販売手続きを精査しています。
③資金を得てポーラス竹炭の特性究明を推進(ガス吸着挙動、微量元素定量分析)➡ガスの吸着挙動が助成金未獲得のため未実施です。自費で計画中
④各種竹炭商品開発の推進・販売(調湿・脱臭器、新鮮保持剤、入浴剤、融雪剤など)➡学会発表をしたが、商品としては未完成なので、鋭意努力中です。
⑤「Ugandaプロ」の再挑戦➡ウクライナ侵攻により当面は活動停止状態です。
⑥「林プロジェクト」の遂行・継続➡林氏の再加入により開始します。
⑦NPO、学協会、企業との連携の継続➡企業との連携が未完成です。
⑧商標登録(初企画)➡決め手がなく未実施
⑨展示会出展(費用は林業研)➡エコプロは準備中、エコメッセちばは公開実施中です。
⑩新規1➡竹イノベーション研究会セミナー発表の成果として、熊本で11月22日に講演を招待され、現在は準備中です。
⑪新規2➡千葉県茂原市の農家から真竹の処分を依頼され、ポーラス竹炭を製造する準備を進めています。折角の機会なので各種方面にPRしています。

9.ホームページによる情報発信(編集部)
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の活動報告・評論・提言・主張および情報紹介です。
サロンの話題・調査・活動報告 (ダブルクリックでリンク先情報が表示されます)
「ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした」2022年11月4日 吉澤有介
「自然のしくみがわから地理学入門」2022年10月24日 吉澤有介
「ヒトはなぜ争うのか」—進化と遺伝子から考える-2022年10月20日 吉澤有介
「日本鉄道史」(幕末・明治篇)-蒸気車模型から鉄道国有化まで-2022年10月13日 吉澤有介
野鳥物語 夏-初秋 2022年10月 宮地利彦
「カラスをだます」2022年9月18日 吉澤有介

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)https://www.kuramae-bioenergy.jp/)
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
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