蔵前バイオ通信 第64号 2020年9月15日

蔵前バイオ通信 第64号 2020年9月15日

メールマガジン蔵前バイオ通信 第64号をお届けします。
7月いっぱい続いた梅雨、その後の連日の猛暑といった厳しい天候の季節もようやく終わり涼しさが戻ってきました。しかし、コロナ禍には気を緩められません。こんな状況の中で、私たちは活発に活動しています。
本号でも私たちの活動による、自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加をお願いします。
蔵前バイオ通信 第64号 2020年9月15日

*******************目次 ***************************
1. 活動トピックス(編集部)
2. 技術情報検討会(吉川)
3. 事業化検討会(岸本)
4. アルジェ研究会(廣谷)
5. 熱エネルギー研究会(進藤)
6. 林業システム研究会(篠崎)
7. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
8. 竹林プロジェクト(篠崎)
9. ホームページによる情報発信(編集部)

1.活動トピックス(編集部)
例年8月は、暑さのため活動を休止していました。しかし今年は、コロナ禍の災いを福となし、オンライン会議で活動を継続しました、これは時間と場所の制約が少ないため、田町の談話室に集まることなく、会議を開催できます。これまで、居所が遠方で参加できなかったメンバーも参加できるようになり、より活発な会議になってきました。メンバー間に限定されないため、さらには、従来田町の談話室で行っていた外部との会議・打ち合わせがオンラインで可能となり、8月~9月には竹林プロジェクトやKシステム開発プロジェクトで数回実施しました。オンライン会議は、これまでのメールによる情報交換、電話による連絡よりはるかに、密度の濃い情報の伝達、意見交換、さらには意見の集約ができることが実証されました。実行動を伴う場合は、参加者を限定し、感染症対策をきちんと行って、現地へ赴き活動を行いました。こういったスタイルはいわゆるコロナ後の活動スタイルとして定着していくものと考えています。
現在の課題はオンライン懇親会をいかに実効あるものして、会員相互の親睦を向上させていくかです。ご意見ご提案をお願いします。

2.技術情報検討会(吉川)
再エネ電力が、全電力に占める割合が増加するに伴い、需給変動調整用の大型電力蓄電設備の必要性が高まっています。これに関しては、従来からいろいろ研究されて来ているのですが、実用化されているのは揚水発電だけといっても過言ではないのでしょうか。
スイスのEnergy Vault社が再生可能エネルギーを貯めて有効利用できるコンクリートタワーを開発したという情報がありました。インドのTata Power社が既に導入を予定しています。太陽が出ている日中や風の強い時間に、余った電力でアームクレーンを使ってコンクリートブロックを高く持ち上げます。そして、電力が足りない時間にコンクリートを下ろし、重力エネルギーを電力に変えて発送電する仕組みです。揚水発電の水をコンクリートブロックに替えた発想が面白いし、何より設置場所を選ばないのが大きな利点です。問題は建設費と償却コストでしょう。

3.事業化検討会(岸本)
事業推進検討会はコロナ禍の事情で休会していましたが、最近取り上げるべき案件やテーマが多くなっている状況にもあり、この機会を利用して本推進会の一部を見直し、新たな進め方の変更を行うことになりました。具体的には下記の通りです。
事業の区分け:検討会で討議する案件/テーマを下記の分野に区分けし登録する。
①Nプロジェクト、②Kシステム普及プロジェクト、③竹林プロジェクト、④その他バイオ関係事業、⑤横浜関係事業、⑥K-BETS内での活動事業
検討会の討議:基本的に上記の①~③についてはそれぞれのプロジェクトで討議し、事業 推進検討会では④~⑥の案件及びテーマについてのみ討議を行う。
事業管理表:K-BETSの事業は管理表(管理リスト)に登録し管理する。
以上により、K-BETS全体として新しい案件やテーマの発掘や取り組みが更に活発化すると期待されます。

4.アルジェ研究会(廣谷)
 2020年7月には、大洪水が発生し、沢山の被災者が出て、多くの人が亡くなっています。去年も大洪水が発生したが来年もそうなるでしょう。何故そうなるかと言うと相変わらず世界の炭酸ガスは増え続けているからです。
 空中の炭酸ガスを海の藻を使って減らそうと言う夢の計画もありますが通常は増加を減らそうと言う試みです。石炭、石油、天然ガスを消費してエネルギーを得て炭酸ガスを増やしていますが、それに替えてバイオ燃料、太陽熱、風力に変えて行こうと言う事です。その再生可能エネルギー利用順位が有るようです。2020年7月の技術検討会、熱エネルギー研究会で発表があり、日本は4位の様だ。1位中国、2位米国、3位ドイツで有り、日本は良い位置に頑張っています。まさかオリンピックの様に国の面積の大きい国を越えて優勝することもありません。お金を掛けて海上風力を無理して利用し電気価格を高くする事もありません。エネルギーを利用消費し炭酸ガス20%占めているのは車です。それに関してはトヨタのハイブリットが貢献しました。また日産のリーブも開発された。これからは電気、水素時代となるでしょう。日本は入賞の位置にいます。
ジェット燃料の炭酸ガスは12%占めています。したがってEU委員会はBJFを10%添加すると決めました(2020年に)。20ヶ国が製造していると言われています、が日本はまだ入っていません。製造と言う事は5万kℓ~150万 kℓ 造る事で、日本のトップのユーグレナは125 kℓ しが造れていません。それでは日本は21位以下になりオリンピックでは予選に入れない。早く参加出来るようにする事です。

5.熱エネルギー研究会(進藤)
経産省は、全国にある石炭火力発電所140基のうち、旧型の低効率な100基を、2030年度までに休廃止する方針を出しました。CO2排出削減対策ですが、低効率は小規模で基数が多く、新型の高効率(存続)は出力が大きいので、発電量ベースでは約半分程度の減少に留まります。欧州では環境負荷の大きい石炭火力を2030年頃(ドイツは38年)迄には廃止する方針です。経産省は、資源調達や電力料金の抑制等から石炭火力を廃止せず、再エネ拡大を目指す考えの様です。変動電源の再エネが増えると、発電量を調整しやすい石炭火力の役割が増すという事もあります。原発再稼働が不透明な中で、環境対策を反映した2030年目標の電源構成をどうするかが課題です。
6.林業システム研究会(篠崎)8月度は非開催
①Kシステムの現状報告を前理事長の吉川さんに代理でお願いした。良く理解できた。
②ウガンダプロジェクトの概要報告、商品開発状況、共同研究などの状況を報告した。
③7月度の研究会はKシステムチームが現場実験対応のため不在であり、竹林プロジェクトチームの研究会の様相を呈したが、今後のあり方を模索する必要があると最近思います。
④例えば世界の林業政策を知りたい。できれば古代からの変遷も含めて欲しい。これに詳しい人や興味をお持ちの人が話題提供をして下さるようお願いしたい。

7.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
Kシステムの使用が決まった秩父市大滝での間伐材の集材作業の準備を進めています。
①7月に現地の下見を実施しましました。対象森林は面積約6ha,平均斜度40度、対象樹種 杉、平均胸高径40cm、樹高30mです。
②伐採作業は40%の列状間伐、搬出本数1200本にのぼります。作業道開設作業、伐倒作業、集材作業いずれも困難が予想され、しっかりした事前検討が必要と痛感しました。
そして、秩父関係者と2回、K-BETS関係者と複数回オンライン会議を開催し、現地の写真や動画、ドローンデータを基に解析結果の図表、伐倒ラインや集材方法の計画などを使用して解説、それに対する活発な議論を行い次の段階に確実に前進できました。
③今後の日程。
9月再度の現地下見実施します。10月初めにKシステムの現地搬入し2021年2月までの長期間の作業を開始します。11月初め、林野庁長官が現地見学に来ることが決まりました。
プロジェクトメンバーは10月から泊り込みでの現地立ち合いを行う予定です。

8.竹林プロジェクト(篠崎)
①助成金申請状況:今年度申請分の採択は困難になった。
②ポーラス竹炭製造時の熱利用としての熱発電検討(今年度新規検討テーマ):
8月17日児子氏を入れて検討会を開催、現場実験の実施を決定、8月29日氏を炭化炉現地案内し、発電素子の取り付け方を検討した。現在、炉の開口部設計、部材発注、加工依頼など調整中です。
③ウガンダプロジェクト:具体的にJICA申請活動を開始しました。
8月4日ウガンダの宇都宮さんとZoom会議でJICA申請方向付けし、篠崎が8月19日JICA横浜にてマネジメント研修会に参加。この結果を受けて、JICA申請の役割を理事会で決定し、9月10日JICAのZoom研修会に宇都宮、篠崎の2名が参加した。9月16日JICA横浜の服部さんと第1回コンサルテーションの予定です。
④DECA2販売:代理店方式とすることを決定し、その候補を選定中。製品保証の体制・あり方についてはメーカーと再度検討することにしました。
⑤その他:種々の商品開発計画を推進中です。種々のアイディアを募集します。

9.ホームページによる情報発信(編集部)
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の評論・提言・主張および情報紹介です。
サロンの話題
「動物たちの反乱」—河合雅雄・林良博編著、PHP研究所2012年1月刊2020年9月10日 吉澤有介
「戦中派不戦日記」山田風太郎著、令和2年8月31日 吉澤有介
「日本古代史を科学する」中田力著 2020年8月12日 吉澤有介
外科医と「盲腸」大鐘稔彦著 2020年6月11日 吉澤有介
「グリーン革命」上・下トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳 2020年6月20日吉澤有介
「大地の5憶年」藤井一至著 2020年7月10日吉澤有介
「ボッコちゃん」星 新一著2020年7月17日 吉澤有介
「IT全史」中野 明著 2020年8月10日 吉澤有介
「日本古代史を科学する」中田力著 2020年8月12日 吉澤有介

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)
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