「ポーラス竹炭の利活用」について講演 常務理事 篠崎正利

1.講演会名:熊本県森林・山村多面的機能発揮対策地域協議会
       令和4年度 施業技術講習会
2.日 時:2022年11月22日(火)13~14時
3.場 所:熊本市嘉島町民会館アクアホール
4.講演者:篠崎正利 NPO法人蔵前バイオエネルギー常務理事
5.演 題:「ポーラス竹炭の利活用」(主催者の依頼による)
6.講演概要
パワーポイントで42枚のスライドを用いて講演しました。

まず、「ポーラス竹炭」という従来の炭焼き窯で作った「竹炭」とは異なる新規な竹炭の概念と新規な製造方法を解説し、次にその性質を詳細に紹介し、最後に利活用の方法を披露しました。新たに開発した炭化炉を紹介して、製造方法が簡単でしかも生産速度が従来の炭焼き窯よりも10倍以上速いことを示しました。単純に考えても製造コストが従来法の1/10になったのです。炭化炉の進化<スライド1>竹炭製造用炭化炉の進歩を示す。 :①従来の炭焼き窯の一例、②無煙炭化器(容量が小さい)、③「炭之助」(開発)、④DECA(改良)、⑤DECA2(さらに改良)
驚くべきことに、この炭化炉で製造したポーラス竹炭は従来の竹炭よりも優れた性質を持つことが確かめられました。それは吸水性、保水性などの物理的性質はもとより、融雪効果や土壌改良剤としての性質を併せ持っていました。これらはSEM(走査型電子顕微鏡)により観察・確認され、また種々の分析手法で測定されました。その一例をSEM写真で示します。

<スライド2>好ましい物理的性質を発揮する細孔(ポア)が全面に発生し、しかも隔壁が薄いので、吸水性、吸着性、微生物繁殖性、軽量性、粉砕容易性などが発現する。なお、この写真で示す細孔の口径は数ミクロン~10ミクロン
ポーラス竹炭の新規性と効果をきちんと認識してもらうため、「ポーラス竹炭の歌」を作詞・作曲し、講演当日、1番だけ歌って披露しました。会場から大きい拍手が起きました。また、間伐材の集材装置「Kシステム」の開発状況をかいつまんで紹介しました。
講演会終了後、参加者から「ポーラス竹炭を作りたい」という人が現れたと、事務局から告げられ、一定の効果があったことが分かりました。

ご質問などございましたらメールでお問い合わせください。篠崎メールアドレスは次のとおりです。shinozakimasat@gmail.com

なお、この講演会では他に「ヒノキでつながる地域の力」および「放置竹林の資源を有効利用」と題する2件の講演がありました。聴衆は約70名で、地元の熊本県はもちろん、九州各県からの参加があり、オンラインでは関東からも少数の参加がありました。

<以上>

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