蔵前バイオ通信 第62号 2020年4月15日

メールマガジン蔵前バイオ通信 第62号をお届けします。

季節は春になり、東京では桜が咲き、散ってしまいました。しかし、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、非常事態宣言がなされ、我々も外出自粛を行っています。外出を自粛しても、情報を扱うことは可能です。この災いを転じて福となすべく、私たちのIT利用レベルを引き上げることに挑戦して参ります。そして、この新型コロナウィルス感染拡大が収束した時点で前にもまして、活発に活動を進めたいと考えております。
本号でも自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加をお願いします。
蔵前バイオ通信 第62号 2020年4月15日

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス(編集部)
  2. 技術情報検討会(進藤)
  3. 事業化検討会(岸本)
  4. 熱エネルギー研究会(進藤)
  5. 林業システム研究会(篠崎)
  6. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  7. 竹林プロジェクト(篠崎)
  8. ホームページによる情報発信(編集部)

 

1.活動トピックス(編集部)

3月に入って、新型コロナウィルスの感染拡大の危険性が増大し、メンバーが顔を合わせて行う会議、研究会は自粛せざるを得なくなりました。
しかし、NPO法人として年度切り替えに当たり多くの作業があります。決算、次年度予算、活動報告、次年度活動計画の策定、例年5月に開催される総会準備など、理事をはじめ関係者が、進藤事務局長のリーダーシップのもと粛々と進めています。

  • 3月例会、4月例会は、新型コロナウィルス感染防止の為、中止いたしました。
  • 情報委員会よりお知らせ(宮地)
    ホームページの活動予定会議開催予定・年間カレンダーを2020年度に更新しました。トップページのメニュー「活動予定」から見ることができます。
    新型コロナウィルス感染拡大の収束がなかなか見通せない現在、当面の活動の手段として、TV会議システムの利用を検討しています。これは、テレワークとして産業界で使用が拡大しているシステムです。比較的容易に利用できます。先日テスト的に限定メンバー間でTV会議を実施したところ、その容易さと有用性が確認できました。 

2.技術情報検討会(進藤)
廃プラスチックの海洋汚染を含めた問題対応として、様々な生分解性プラスチックの開発・製品化が進んでいるので調査・検討しました。生分解性プラは通常、土中バクテリアで分解されますが、海には土中よりもバクテリアが少なく分解されにくい。

そこで、ダイワボウ(旧大和紡績)は、現状の生分解性プラよりも海中で20倍以上早く分解(2週間で9割生分解)されるレーヨン(綿状の繊維)を開発し、食品包装資材に利用しています。一般の生分解性プラの分野では、日精樹脂工業が植物由来の生分解プラを薄く成型する技術を開発し、グラスやボトル生産をしています。その他、アサヒ徳島の使い捨てスプーン、日清食品のカップヌードル容器、サンテックの紙おしぼり、三菱製紙の食品包装紙などがあります。既存のプラ代替となる生分解性プラ商品の普及により、廃プラ問題の解決が進展する事が期待されます。

3.事業化検討会(岸本)
1.ポーラス竹炭の市場開発活動
ポーラス竹炭については、その市場開発・販路開発が大きな課題と位置付け、竹林プロジェクトチームと連携して情報収集や検討を継続して行っています。特に資源循環をテーマに千葉県内の大学や研究機関の訪問を行い、千葉工業大学石原研究室では竹炭の土壌改良材としての研究を行っていただいた結果貴重なデータが得られ、また千葉県畜産総合研究センターからは竹炭の畜産用途に関して有益な情報や指導を頂くことが出来ました。今年度はこれらの情報をもとに、千葉県内の園芸資材企業や畜産資材企業へのアプローチを積極的に行い事業化を目指します。
2.横浜市における活動調査の継続
 横浜市は現在SDGs事業活動を大々的に展開しており、横浜市にNPO登録地としているK-BETSとしてもそれらの活動情報をウオッチしながらその事業への参加検討を継続して行います。また神奈川県では西部地区を中心に、森林整備事業が計画的に行われておりこれら事業への参加への可能性の検討も行います。
3.その他について
 以上のほか、毎月の検討会ではK-BETSとして相応しい事業化のテーマの討議・検討を行っていますので、会員の皆様からの積極的な提案をお待ちしています。なお開始を延期していますが現在の新型コロナウイルス感染の問題が収束した後には、工場・研究所の見学会を予定していますので、その際には積極的な参加を頂くことを期待しています。

4.熱エネルギー研究会(進藤)
木質バイオマス発電の課題を検討しました。現状では規模の経済性から大規模発電が約8割以上を占め、その燃料の殆どは、PKS等の海外からの輸入となっています。木質バイオマス発電の燃料費は約7割を占めるので、運転費の7割は海外に流出する事になります。一方、政府のエネルギー基本計画では、木質バイオマス発電は国内の間伐材などの搬出・利用を促し、林業再生を図るとしています。但し、山間地では輸送費が掛かるので集材量は限られ小規模発電となり、更にスチームタービン方式では発電効率が低いので、ガス化による発電方式となります。ガス化は高温の熱が得られるので熱利用も可能な熱電併給です。ガス化発電方式では装置の運搬・設置を容易にし、運転を確実にする為に、実績のある単体の装置を複数並べて需要に合う発電量を確保する方法が取られています。
今後は、小規模の熱電併給方式を数多く増やし、山間地域への利益還元を図る方策の推進が必要と考えます。

5.林業システム研究会(篠崎)
 この研究会では三密を避けて3月度の研究会を休会にしました。夏休みを除いて初めての休会です。実際の活動はその間も3月中旬まで精力的に行われ、千葉県の大学あるいは各種研究機関との意見交換や表敬訪問を行いました。
間伐材集材テーマであるKシステムの開発は各地でのデモンストレーションで好評価が得られました。今後は実用化に向かって前進します。もう一方の放置竹林問題解消テーマでは、ポーラス竹炭を用いた大学での学生実験により、屋上緑化用資材としての有用性が確認されたので、今秋の建築学会に発表されることになりました。
活動の場が国内にとどまらず、海外をも視野に入れる必要が出てきましたが、ここにきて新型コロナウイルス感染拡大の世界的広まりによって、活動の進展が阻害される状況になってきたのは残念です。

6.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
山主から地域工務店までを結束する「森林再生プラットフォーム」を推進されている木造注文住宅の社長が、秩父の山主とK-BETSに来られて、「Kシステムは秩父の急斜面の森林の間伐材を収材するのに最適とおもうのでぜひ使ってみたい」との話がありました。そして、自伐林業をされている方がKシステムを約1週間使われました。大変好評で、さらに広い急斜面の間伐材の引き出しに使いたいので購入を検討されることになりました。基礎実験から10年でやっと受注の話になりました。これから積極的に拡販活動です。

 7.竹林プロジェクト(篠崎)
放置竹林問題の解消のために必要なハード関係の開発が先導キャップを除いてほぼ終わり、次はポーラス竹炭の商品開発に勢力を注いでいます。多目的用途を洗い出して、それに適したユーザーを探します。これは大変地道な作業になりますが、これをしないと問題解消になりません。多くの会員の叡智を結集する必要があります。
これを打開する方法として漫画によるポーラス竹炭用途のPRを考えました。ただし、これには多くの資金が必要ですので、助成金を何とか採択して貰いたいと思っています。
また、新型コロナウィルス禍に打ち勝つため、Skypeによる小会議を開催しました。会議のテーマは臭気や老化ガスの吸着による制御の可能性についてです。その結果、重要な指針が得られたので、今後、大学や研究機関と共同で効果を確認して行きたいと考えています。
私たちはポーラス竹炭を使った商品を技術開発しますので、それを販売して下さる相手を探しています。ホームページにご連絡ください。待っていまーす!

8.ホームページによる情報発信(編集部)
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の評論・提言・主張および情報紹介です。

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秩父市におけるKシステムによる間伐材の引き出し2020年2月

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