バイオジェット燃料の新しい道

廣谷 精[1]

  2020年になるとEUではバイオジェット燃料を添加した燃料で無ければ飛行機は飛べなくなる。米国、アジアは法律ではないがバイオジェット燃料を添加していない燃料では飛び難くなる。20ヵ国がバイオジェット燃料を既に製造していて、アジアの国では、中国、インドが製造している。日本は20ヵ国に入っていない。未だ申請段階で、使える物はゼロで遅れた国となっている。

 製造している国は如何して造っているのだろうか。 EUの国は廃食油利用の産業が歴史的に盛んであり、木材利用の産業もある。中国、インドは物価が安く、大量の安いバイオが有る。しかも中国は遺伝子組み換えを国策的に推進している。インドは太陽光が強力である。米国には大量の安いバイオマスが有り、安いアルコールが有り、そして遺伝子組み換え藻に対する世間の理解が有る。そしてバイオジェット燃料を空港に既に用意している様だ。日本は少量の高価なバイオが有り、そして並の強さの太陽光があるだけである。

 日本はバイオジェット燃料製造を数社が試みているが、2025年には営業出来ると考えている様だ。それはFT合成、藻池システムであるがいずれも従来の技術で、世界の国がやっている事だ。藻に関しては、同じ名前の物が幾らでも居る。日本は不利な条件を越えてコストの安いものを造ろうとすれば技術しかない。しかも米中では国家的に競っている遺伝子組み換えの技術である。日本はその上を越える技術を、国家的に開発しなければならない。それに気が付いたのは東工大の太田啓之教授だと思う。ナンノクロロプシスにおいて遺伝子組み換えで生産性を上げた。しかし、私は、安い原料を遺伝子組み換えて利用して油を造れないか。太陽光と安い原料と言う勝手な希望であるが。技術開発を期待したい。

[1] 蔵前バイオエネルギー 会員

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