蔵前バイオ通信 第56号 2019年3月10日

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. 事業化推進検討会(清田)
  4. 熱エネルギー研究会(進藤)
  5. 林業システム研究会(篠崎)
  6. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  7. 竹林プロジェクト(篠崎)
  8. バイオチクプロジェクト(渡辺)
  9.     ホームページによる情報発信

1.活動トピックス

2019年度の活動カ日程を確定しました。当NPO法人 総会を5月22日に開催します。年1回の総会です。多数の会員の参加をお願いします。また、総会後の勉強会において、興味深い話題を準備しております。

◎2月、3月例会時に例会後に勉強会を開催しました。
2019年2月5日 講師 岩谷宗彦氏(炭やきの会役員)
演題「炭の種類とバイオチャーの動向」
英語で言うバイオチャーbiocharは生物材料であれば何でも含まれ、バイオチャーの効果は二酸化炭素固定効果、炭素貯留効果、その他よく言われている効果が含まれます。
海外のバイオチャー関連会議に頻繁に酸化される岩谷氏の参加状況を披露して頂き、その時の印象を語ってもらいました。欧州、中国、NZ・豪州が積極的であるようです。
IPCCはバイオチャーを有力な手段と見做しており、環境省も同様の立場です。
さて、炭とは木炭とは何かの基本として、木炭の種類は材料・製法・形状の三つによって分類されるという。しかし、「消し炭」が無く、また「粒状炭」が無いので、当方が開発した「ポーラス竹炭」が含まれない、ということが判明しました。また、その規格について、炭に関する国内の団体や日本国内の炭の規格があるものの、数種類ある規格はすべて生産者規格であり、JASはありません。そうすると、生産者である我々がポーラス竹炭の規格を作る必要があります。
以上、今回は炭について幅広く勉強できました。講師の岩谷氏に感謝いたします。

2019年3月6日 講師 福島 巌(蔵前バイオエネルギー 会員)
今回はサロンの話題、日本古代史「古墳時代を作った男」を行いました。
3世紀には半島から九州まで鉄が届いていたが本州には届かなかった。手漕ぎ船が瀬戸内海を通れなかったためである。卑弥呼の時代伽耶国の王子が航路を開発して日本海から淡路島に運び込んだ。最初のルートは但馬から姫路に至るもの。区間を設けて船を乗り換えた。港を作って海用の船を川用のものに変えた。船を係留する濠と台地を盛り上げ銅鏡を吊るして灯台の役割を与えた。これが後に前方後円墳の発祥につながった。箸墓古墳の原型は円山川の中流、和田野にある池田古墳です。

米谷理事長企画の臨時討論会(有志のみ参加)
2019年2月28日(木)17:30~20:00 高槻バイオチャーエネルギー研究所 所長 島田勇巳氏をお招きして、「平炉式製炭炉を活用したバイオチャー製造とバイナリー発電装置」という演題で討論会を行いました。
島田氏が開発した特徴ある「平炉式製炭炉」の概要、製造して竹炭をバイナリー発電の燃料として使用するという、新しい発想に基づいた活動について有意義な討論ができました。地域に密着し地域に貢献できるように、炭は燃料に使用するという発想は新鮮でした。里山資本主義に則った展開の仕方が特に良かったので、当NPOでも見習うべきところがあると感じます。今後の活動の発展を期待します。 

2.技術情報検討会(吉川)
再生可能エネルギーのトップを走っている太陽光発電が、大型化に伴う問題等が発生し、減速せざるを得ない状況のようです。それでは風力発電はどうなのか、一例として、「福島沖浮体洋上風力発電」に関する情報を取り上げて見ました。
新聞情報では、ネガティブな見出しのもとに、否定的な記述が多かったのですが、元ネタの総括委員会の報告書を読むとかなりトーンが違います。検討会の議論の結果、技術的には7,000㎾級は未解決な問題点が多く、5,000㎾級が今後のターゲットとなるという感触を得ています。課題はコスト低減であることは明らかです。この検討に際し、世界の風力発電の現状、大型付帯設備の係留技術等を調べましたが、技術開発のテーマは尽きないと感じています。

3.事業化推進検討会(清田)
①竹粉を使って米などの増産をしようとする農家と元東大教授の取り組みについて紹介があり、K-BETSがどのように関われるのか議論を行った。
② フタバビジネス社への竹炭納入は粒度をそろえるのに苦労したが何とか納入できたとの報告があった。
③ 竹炭製造機DECA2の性能評価は3月から5月の間に、いすみで行う予定だったが都合により竹森の里で行うことに変更するとの報告があった。

4.熱エネルギー研究会(進藤)
地域における木質燃料の利用として、地元森林保有者、自治体および温泉などの熱利用者が連携して、エネルギーの地産地消を実現する動きが出てきています。その事例として青森県新郷村での仕組みを検討しました。森林所有者と村役場等が主導し、山林から搬出された林地残材・間伐材を、地域振興券で買い取り、この振興券は地元の商店街で使える様にし、未利用材等は村営温泉館の薪ボイラー燃料として3割引で販売し、その差額は公的な補助金から交付するという仕組みです。これにより、外部に支払っていた重油代金は地元に還元され、地域資源によるエネルギー自給が可能になるという事例です。地元で有効活用されなかった森林資源を利用する事により、林業の活性化、商店街の利用促進、給湯や暖房等の化石燃料の低減等、環境に良い地域活性化につながると思います。

5.林業システム研究会(篠崎)
Kシステムが新たな展開を始めました。詳細は次項にて述べます。
竹林プロジェクトでは基本的な開発案件が明確になり、次の目標が作られるようになりました。
一つは今までに開発した炭之助やDECAなどの機器や竹集材システムの改良・発展です。
二つ目はポーラス竹炭を用いた商品開発と販売戦略の確立です。
三つ目はポーラス竹炭の規格制定です。
勉強会を活用しながら、いずれも完成に向かって進んで行きます。

6.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
昨年11月東京都あきるの市で開催された林業機械展でKシステムをパネルと動画で紹介しましたが、今年2月8日に代々木のオリンピック記念青少年総合センターで開催された林業機械化シンポジウムでは林業機械の専門メーカーの南星機械様がシステムのパンフレットを作成して配布していただきました。Kシステムが使われているところを是非見たいとコメントが多くありました。4月に湯河原の山林で集材作業に使われる事になりました。

7.竹林プロジェクト(篠崎)
①機器の開発:DECA2の開発実験は材料である竹の不足で、来年度に延期しました。
②システム開発:集材用キャップの独自開発を目指して活動を開始しました。
③ポーラス竹炭の商品開発:連続分級機を使って大きさで分けるノウハウを取得しましたので、今後はきめ細かなニーズに対応可能です。
④販売戦略:ハードもソフトも連携NPO法人の協力で大きい成果を得ることができますので、連携が促進されるような仕組み作りを大至急完成させたいと思っています。
⑤ポーラス竹炭の規格化:生産者がまず作って、それを公に認めてもらうのが手順であることが解かりましたので、その方向で進んで行きます。 

8.バイオチクプロジェクト(渡辺)
①日本のプラスチックリサイクルの大半は、熱利用に回していますので、化石燃料系プラスチックでは、燃焼時のCO2放出が問題となります。これを早急に「バイオマス由来のプラスチック」に転換する動きが始まって、官民挙げての技術開発を進めています。東京都は、都関連で使用するプラスチックを、2035年までに200万トンを「バイオマスプラスチック」に切り替える活動を開始しています。
②海洋汚染プラスチックの元凶となる「使い捨てプラスチック」は、欧州では使用量の削減と、一部の国では販売禁止の法制化が進んでいます。日本では、レジ袋の有料化で使用量の削減を目指しています。さらに、「生分解性プラスチック」への技術開発が進められています。

9.ホームページによる情報発信
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。および会員の研究ノートです。

特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)
https://www.kuramae-bioenergy.jp/
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
キャンパスイノベーションセンター801号室
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