蔵前バイオ通信 第91号2025年9月15日

メールマガジン蔵前バイオ通信 第91号(2025年9月15日)をお届けします。今回は主に7月の活動報告および自然エネルギーそして環境情報をご案内いたします。どうぞ、ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加を期待しています。ホームページより連絡ください。

*******************目次 ***************************

  1. 活動トピックス(編集部)
  2. 技術情報検討会(吉川)
  3. アルジェ研究会(廣谷)
  4. 熱エネルギー研究会(進藤)
  5. 林業システム研究会(篠崎)
  6. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
  7. 竹林プロジェクト(篠崎)
  8. ホームページによる情報発信(編集部)

1.活動トピックス(編集部)
8月は例年、猛暑やお盆休み等があるため、個人個人は活動していますが、法人としての活動はお休みしておりました。さて、8月の連続の猛暑日、そして9月に入ってもなお猛暑が続いています。そんな中、私たちは8月に養った英気をもとに活動を再開します。

2.技術情報検討会(吉川)
日本ガス協会(東京都港区)は6月3日、2050年に向けて都市ガス業界が目指す将来像「ガスビジョン2050」と、その実現に向け2030年までに取り組む具体策をまとめた「アクションプラン2030」を公表しました。e-メタン(CO₂と水素から合成されるメタン)の活用や災害対応の強化など、3つのビジョンと4つのアクションを柱に、都市ガスのカーボンニュートラル(CN)化を目指す構想です。
構想では、最終的に都市ガス供給の50~90%をe-メタンやバイオガスなどの再生可能ガスで賄い、残る10~50%を天然ガスにCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)やクレジットオフセットを組み合わせて供給します。さらに、数%程度は水素を直接供給することで、全体としてのCN化を実現するとしています。
この動きを受け、経済産業省も、CO₂の再利用などにより実質的な排出ゼロを実現するガス供給を促す制度の策定を進めています。2030年度には、都市ガス供給量のうち1%を合成メタンまたはバイオガスで構成する目標が設けられる見込みです。
ただし、課題も多いようです。e-メタンの製造プロセスは他のクリーンエネルギーと比べてエネルギー効率が低く、さらに原料となる大量のCO₂の安定的な確保も困難が予想されます。その結果、エネルギー単位当たりの製造コストが高騰し、将来的に一般家庭向けに販売するモデルが経済的に成り立たなくなる可能性も指摘されています。

3.アルジェ研究会 (廣谷)
これからの文献の調査
1.日本自動車会社の経営状況、生産量、販売量、電気自動車(HV、水素)等。
2.米コメの製造法、コスト、価格、味。
3.日本コメの生産性改善、価格改善、ゲノム編集及び生産性、味について。農村改善。
4.陸の藻、海の藻の改善、ゲノム編集、ユーグレナその後。
5.水素の貯蔵量、価格、水素艇の状況。
6.SAFの状況、SAFの新しい製造法。

4.熱エネルギー研究会(進藤)
紙パック飲料などは長期保存のため内側にアルミがコーティングされており、アルミ付き包装容器は、自治体により廃棄物として焼却や埋立て処分となっている状況にあります。そこで、この廃棄物の輸送を委託されていたトナミ運輸では、分社化したアルハイテック(株)において、アルミ付き廃棄物を有用資源に変える技術を開発しました。その技術はアルミ付き廃棄物からアルミを分離し、特殊なアルカリ系水溶液とアルミを反応させて、高純度の水素と水酸化アルミニュウムを製造する一連の装置です。水素は、燃料電池などで地域分散型エネルギー供給用として利用し、副生物の水酸化アルミニュウムは、カーペットや車のシートの裏などに使われる難燃性材料の用途に利用可能です。事例として、千葉県の宿泊施設「ホテル三日月」に装置を設置して、26年に稼働開始を目指しています。廃棄物アルミは地域から回収し、水素はホテル内で発電燃料に使用し、副生物水酸化アルミニュウムは、地域の工業原料として活用予定です。この様な廃棄物活用は、地産地消型の資源循環利用といえます。

5.林業システム研究会 (篠崎)
(1)今年も12月開催のエコプロ出展に向けた準備が始まりました。今年の出展テーマは林業機械であるK-システムがメインになります。出展申し込みはすでに実施しており、今後は展示物を製作したり、資料を作成したりの作業を行います。
(2)早生桐の成長記録を今年も生態工学会年次大会で発表しました。発表は2年目になりますが、その間に「大失敗」となる事件がありました。庭に生えた雑草を業者に依頼して刈り取って貰ったのですが、庭に植えている早生桐3本も見事に跡形もなく刈り取られてしまいました。前年1年間の観察が無駄になったかと気落ちしました。ところが2週間経ったころ、植えた場所の方を見ると緑の芽が出ているのです!3本ともに蘖(ひこばえ)が生えて生き残ったのです。そしてその1本は2m以上に成長しています。CO2吸収量もきっと大きいと考えられます。「大成功」でした!つまり、植林は一度だけで良いのです!

6.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
(1)5月、岐阜高山の林業業者(株)バルステクノロジーの宮本義昭氏がKシステムは多くのアイデアが盛り込まれていて有用性が高い。伐倒・集材だけでなく造林などにも使える是非共同で積極的に進めましょうと言われ、すぐにK-BETSに入会されました。積極的なPRなど多くの提案を出されています。
(2)6月飯能の状況, 飯能の森林・林業・製材業の再生プランを立案中。
(3)6月南都留森林組合の状況、今年度はk-システムを使う現場はない。早くて来年度になる。
(4)6月30日:末松東京農業大学特任教授の講演会に参加、k-システムの紹介がありました。
(5)7月28日:日建でk-システムの今後の進め方の打合せと機材の保管状況の確認を行いました。
(6)9月1日:日立建機ティエラでk-システムの今後の進め方について打合せました。
日建で再度打合せを行うことになりました。

7.竹林プロジェクト(篠崎)
(1)生態工学会年次大会が例年より一月遅れて開催されました。
①開催日時・場所 2025年7月4・5日@千葉大学柏の葉キャンパス
②発表形態 今年もオーガナイズドセッションとして発表しました。
③発表件数 5件(ポーラス竹炭3件、早生桐、世界の水紛争)
④3日にはエクスカーションがあり、千葉大の宇宙での食料栽培方法の開発が進められていました。
(2)長崎県から竹林整備とポーラス竹炭の製造について見学希望があり、スケジュールを決めました。
①期日 10月18日(土)・19日(日)提携2NPO法人を案内する。
②来訪 女性2人 茂原市のホテルに連泊して、篠崎がマイカーで送迎する。
③目的 企業化を目指す。
流石、九州は竹の本場だと実感しました。全国に広まることを期待します。

8.ホームページによる情報発信(編集部)
吉澤会員による本の紹介(サロンの話題)、廣谷会員の評論・提言・主張、その他です。
「先生、イルカとヤギは親戚なのですか!」—鳥取環境大学の森の人間動物行動学-25年9月15日 吉澤有介
(書評) 芥川賞平成6年上半期受賞作 松永K三蔵作「バリ山行」について 2025年9月10日 吉澤有介
「光の美術 モザイク」  2025年9月9日 吉澤有介
「役に立たない科学が役に立つ」 2025年9月5日 吉澤有介
「ラテン語の世界史」  2025年9月3日 吉澤有介
「天文学者が1を知ると、宇宙は10の謎を投げかけてくる」  —研究者たちが見ている宇宙の最前線—2025年8月31日 吉澤有介
「利他の生物学」—適者生存を超える進化のドラマ–2025年8月25日 吉澤有介
「夢を見る技術」—最新腦神経科学が明かす、睡眠中の腦の驚くべき力—2025年8月20日 吉澤有介
「室町アンダーワールド」 2025年8月18日 吉澤有介
「考える機械たち」歴史、仕組み、倫理、そしてAIは意思を持つのか?–2025年8月15日 吉澤有介-
ゲッチョ先生の「うんこいろいろ探検記」 2025年8月11日 吉澤有介
「発明とアイデアの文化誌」  2025年8月3日 吉澤有介
「バブルとデフレ」 2025年7月31日 吉澤有介
「恐竜はすごい、鳥はもっとすごい」—低酸素が実現させた驚異の運動能力–2025年7月28日 吉澤有介
2025-07野鳥物語 春-初夏 編  2025年7月30日宮地利彦
2025ー04野鳥物語 冬~初春編  2025年7月30日 宮地利彦
自動車関税日米交渉進む アルジェ研主張・提言(NO2):2025年7月23日 廣谷 精
「雨を操る」―森林保護思想の変遷から読み解く気候安定化への道―2025年7月22日吉澤有介
「リハビリ専門病院に入院して」  2025年7月18日 吉澤有介

 

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〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
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