メールマガジン蔵前バイオ通信 第90号(2025年6月15日)をお届けします。5月に通常総会を開催し、いよいよ2025年の活動を本格的開始いたします。今回も私達の活動状況と、自然エネルギーそして環境情報をご案内いたします。どうぞ、ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加を期待しています。ホームページより連絡ください。
*******************目次 ***************************
- 活動トピックス(編集部)
- 技術情報検討会(吉川)
- アルジェ研究会(廣谷)
- 熱エネルギー研究会(進藤)
- 林業システム研究会(篠崎)
- Kシステム開発プロジェクト(米谷)
- 竹林プロジェクト(篠崎)
- ホームページによる情報発信(編集部)
1.活動トピックス(編集部)
・通常総会開催
令和7年5月21日、今年度の通常総会(第20回)を下記の通りオンライン開催いたしました。
開催日時:2025年5月21日(水)14時~17時 Zoomによるオンライ会議
1.14:00~ 2024年度 第20回通常総会:第1号議案、第2号議案、第3号議案の説明・審議の結果承認されました。
2.14:55~ 説明会:2025年度の体制、活動計画、予算の説明と意見交換会を行いました。
3.16:00~ 懇親会:懇親会では、米価格高騰などの時事問題、K-BETSの今までとこれからの活動など、多岐にわたる話題が提供され活発な懇談が行われました。
・公開講座「水と環境」第9回開催(2025年6月7日15:00~17:00)
「日本特殊陶業」&「TOTO」の環境への取り組みと技術 をメインテーマとして、「(1)日本特殊陶業における無機材料を活用した水制御と環境応用」講演者 : 日本特殊陶業(株) 小塚久司 氏「(2)TOTOにおける水と環境に関する取り組みと無焼成セラミックス」講演者 :(TOTO㈱)清原 正勝 氏 で開催しました。両講演とも大変高度な内容でしたが、質疑では適切な質問が多数あり盛況でした。この講座のプレゼン情報は後日ホームページ「活動報告」「公開講座 プレゼン資料」で公開いたします。
2.技術情報検討会(吉川)
イベリア半島で発生した大規模停電の原因はまだ公表されていませんが、電力の需給バランスに問題が生じた可能性が高いようです。再生可能エネルギーの急増に伴い、電力網の整備を含めた需給調整機能の強化は喫緊の課題となっています。そんな中、興味深い取り組みが目に留まりました。
東京電力ホールディングス(HD)は、水素製造装置を活用して電力の需給バランスを調整する新たな試みを開始しました。山梨県と連携し、2025年4月から「需給調整市場」に参加し、一時的な電力の過不足を補う調整力を提供しています。
この取り組みで使用されるのは「水電解槽」と呼ばれる水素製造装置で、特殊な膜に電圧をかけて水を分解し、水素を生成する仕組みです。起動・停止が数秒で行える高い機動性が特徴であり、山梨県と東京電力の小売子会社である東京電力エナジーパートナーが共同で事業を推進しています。
課題となるのはコストですが、需給調整市場では1キロワット時(kWh)あたり最大40円弱の報酬を得ることができます。山梨県における水素の市場価格は1立方メートルあたり約300円ですが、水素1立方メートルを製造するのに約5kWhの電力を要するため、この市場の報酬を活用することで、水素のコストを100円程度まで低減できる可能性があります。
このように、水素製造装置を需給調整に活用することで、電力調整と水素コストの低減という二重のメリットが期待されています。今後は、水素の貯蔵や輸送を含めたサプライチェーンの整備が重要な課題となるでしょうが、興味深い試みです。
3.アルジェ研究会 (廣谷)
評論・提言・主張「排水浄化は大気のCO2を増やす – NPO法人蔵前バイオエネルギーNPO法人蔵前バイオエネルギー」をご覧ください。
4.熱エネルギー研究会(進藤)
都市ガスはLNGからのメタンが主成分であり、燃焼により排出するCO2対策が課題となっています。その課題対応として注目されているのは、水電解によるグリーン水素と排出CO2から「e-メタン」(合成メタン)を製造するメタネーション技術です。但し「e-メタン」を実用化するには、水電解による水素製造コストおよびメタン合成での大きな発熱処理が、普及拡大への大きなハードルの一つとなっています。そこで東京ガスでは、e-メタン製造のコスト低減や熱処理の効率化を目指して「革新的メタネーション技術」と称した研究開発を進めています。その一つは、発熱反応であるメタン合成の排熱を吸熱反応である水電解に利用することで熱融通を一体化構造に効率化したデバイスの技術開発です。もう一つは、既存の水電解に用いられている固体高分子電解質膜(PEM)を用いて、水を水素と酸素に分解する電極で発生した水素イオンとCO2からの炭酸イオンとの反応で、メタン合成を一つのデバイスで製造する技術開発です。このデバイスには水とCO2を供給するだけ(外部からの水素供給無し)で直接メタンを製造するので、シンプルな設備構成となり、大幅な設備コスト低減が可能となります。これらの技術は、まだ研究開発段階とのことですが、2030年までにガス供給量の1%をe-メタンに置き換えることを目標としています。
5.林業システム研究会 (篠崎)
(1)熊本県から間伐材集材装置の問い合わせがありました。ウインチに関する物でした。どんな方式のものが良いかリコメンドを求められました。当方としてはK-システムを推奨したいのですが、詳細ニーズを確認した結果、市販されているボートウインチなどを紹介しました。
(2)早生桐の成長の様子を確認するため、愛媛県伊予市の蜜柑園を訪れました。20㎝高さの苗を植えて2年で5mにも成長しました。植物の成長速度は世界的に見て、竹>早生桐>ユーカリの順に高いようです。早生桐の成長を記録するとともに、早生桐の利活用についても検討したいと思います。
6.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
(1)小倉元KVS室長の紹介で 岐阜高山の林業業者で林業や地方創生に取組むスタートアップ企業や中小企業の支援を行なっている(株)バルステクノロジーの宮本義昭 社長と5月23日KVS室でkシステムやK-BETSの活動について打ち合わせを行いました。動画や図面での説明と質疑応答の後以下の提案がありました。
・Kシステムも滑車も斬新なアイデアで日本の地形に有効な集材システムです。これからも続く開発や市場への導入の支援をしていきます。
・NEDOがバイオマス燃料開発に関する公募案件の広告を出した。応募したら良い。
・KシステムとV滑車の動画をYouTubeに投稿したら良い。原稿をだしてほしい。
・林野庁が進めている早成樹の巨大苗木(ビッグツリー:コンテナ大苗)の運搬にKシステムや特殊な滑車が使えそう。また、巨大苗木を植付けする穴を開ける穿孔機の開発を検討したい。
・元林野庁の方と進めているビッグツリープロジェクトのメンバーに本件を紹介した。現在、プロジェクトの方向性、体制、予算に関して議論中なので、方向性が決まり次第、一度打合せをお願いする。また、現地見学などにも参加したい。
・日本木材壮青年団体連合会(木青連)の広報のコラムに若い人が魅力を感じる林業や木材業をアピールする記事を書くことになった。そこでKシステムとV滑車を取り上げたい。
飯能 大河原木材社長から
・5月14日(土)商工会議所で、都市近郊の森林・林業への眼差し「森林・林業への未来を考える」について茂木もも子東京農大准教授の講演会があります。是非参加してください。
・小野まりという女性が飯能の林業も含めた地域活性化に活発な活動を行っています。今年4月の市会議員選挙で当選しました。これからの活躍を期待してます。
7.竹林プロジェクト(篠崎)
(1)生態工学会年次大会での発表に向けて方針を決めました。現在、原稿執筆中です。
①開催日時・場所 2025年7月4・5日@千葉大学柏の葉キャンパス
②発表形態 今年もオーガナイズドセッションとして発表します。
③発表件数 5件(ポーラス竹炭3件、早生桐、世界の水紛争)
④3日にはエクスカーションがあり、千葉大園芸学部を見学します。
(2)九州からポーラス竹炭に関して問い合わせ:定義を教えてください。➡次のように回答した。
①竹を燃やして、水を掛けて消してできる竹の消し炭のこと。炭焼き窯で製造した竹炭は該当しない
②なるべく高い温度で竹を燃やすと、細孔内部表面積が大きい、良好な特性が得られる。
③ポーラス竹炭を土壌改良剤として使用すると、大気中のCO2削減ができて地球温暖化防止に役立つ。
8.ホームページによる情報発信(編集部)
廣谷会員の評論・提言・主張です。本の紹介は事情により今回は休みます。
2025年6月14日 排水浄化は大気のCO2を増やす – NPO法人蔵前バイオエネルギーNPO法人蔵前バイオエネルギー 廣谷 精
特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)
(https://kuramae-bioenergy.jp/)
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
キャンパスイノベーションセンター801号室
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