*******************目次 ***************************
- 活動トピックス
- 技術情報検討会(吉川)
- 事業化推進検討会(岸本)
- アルジェ研究会(廣谷)
- 熱エネルギー研究会(進藤)
- 林業システム研究会(篠崎)
- Kシステム開発プロジェクト(米谷)
- 竹林プロジェクト(篠崎)
- バイオチクプロジェクト(渡辺)
- ホームページによる情報発信
- 世界のバイオマス
1.活動トピックス
l 7月25日一般社団法人 蔵前工業会(東京工業大学同窓会)主催、 NPO 法人 蔵前バイオエネルギー共催、 国立大学法人 東京工業大学 後援 で「ここまできた、バイオマス利用最新技術」をテーマに「バイオマスセミナー」を東工大蔵前会館 1 階「ロイアルブルーホール」にて開催しました。
講師に、大政謙次東京大学 名誉教授、 中嶋一郎 住友林業(株)理事 筑波研究所長のお二人を招き、最新技術について講演をいただき、続いて、講師のお二人を交えて、懇親会を催し、多数の方々の参加をいただきました。
ありがとうございました。
l 8月25日 (社)蔵前工業会 神奈川県支部主催 土曜講演会において、米谷理事長が「シニアパワーで実現目指すバイオマスエネルギー社会」と題して、日本のバイオマスやエネルギーの現状と課題、当NPOの活動状況のプレゼンテーションを行いました。
会場の大岡山駅前東工大蔵前会館くらまえホールには蔵前工業会会員を中心に如水会(一橋大学同窓会)ほかあわせて約80名の参加があり、約2時間にわたりK-BETSの活動からの説明を行いました。特に当NPOが独自のアイデアにより自主開発を行っているKシステムの10年間の歩みついては、模型のデモも行い会場の技術者シニアに大いに興味をもって聞いていただけたようです。
続く生協食堂2階での納涼大会では、横浜市における連携の情報や新規の入会が多数あり、今後の活動に強力な推進力を得ることができました。
l 総会、例会時に勉強会を開催しました。
① 2018年7月3日 講師 篠崎正利((K-BETS 理事)「原発見てある記」
「原発事故は人災です、と述べた先輩がおられるように、危険なものと知りながら、安全を他人任せにしている姿勢が見て取れた。東京電力が関東でなく遠隔地に原発を建設したのか?過去のデータを科学的に見ないのはなぜか?過去のデータに大幅な安全係数をかけて、揺れや津波に対処するのが技術屋である。東北電力は十分な対処をした。原発の設計基準も同様に不備があった。冷却水配管が破損した。つまり福島第一原発は津波だけにやられたのではなかった。日本全体が災害に対して真面目に対処していない現状を浮き彫りにした。」と今までに原発を見て歩いた記録と感想があり、これについて、様々な観点から議論をしました。
② 2018年9月4日 講師 : 荒川 英敏(K-BETS 理事)「ロンドンの大気汚染対策とCO2削減策の現状」
ロンドン市の施策は、渋滞税の適用、中心部に進入車両のEV、PHB、FC限定(2020年~)、自転車専用ルート整備、バスのEV、PHB・タクシーのEV化、国の施策では、にガソリン・デイーゼル車の販売禁止EV化(2040年~)、新築住宅のゼロカーボン化(新築2016年~)、住宅売買、賃貸住宅契約時の住宅のエネルギー性能証書の義務化、1930年代から続くグリーンベルトの維持管理の徹底などがあります。これらについて、日本と比較しながら、その具体的内容の紹介と活発な議論を行いました。
2.技術情報検討会(吉川)
プラスチックの海洋汚染が話題になっており、テレビのワイドショーでも取り上げられました。海上一面に漂うおびただしいプラゴミの写真のインパクトが強いのですが、海中や海底にも大きさ5ミリ以下のマイクロプラスチックや洗顔料等に使われる微粒子(マイクロビーズ)が増えつつあり、食物連鎖を通して生態系や人体に悪影響を及ぼす懸念が大きくなっています。対策が急がれます。この他の話題としては、閣議決定された「エネルギー基本計画」に対する実効性についての議論や、新しいところで、今回のFIT制度下での太陽光発電の入札で、落札できた案件が初めてゼロだったという意外な結果への議論等がありました。
3.事業化推進検討会(岸本)
9月4日に事業推進検討会が開催され、主に以下の内容が報告・議論されました。
① K-BETS10周年史の作成は、現在編集を進めており9月中の完成予定。
② 横浜市でのK-BETSの活動については、8月25日蔵前工業会神奈川県支部の土曜講演会および納涼会で、交流提案のあった横浜市内のNPO等と情報交換や見学会を今後行うこと、新しい展開を期待すること。
③ 現在課題となっているポーラス竹炭の市場(販路)開拓については、千葉県の土壌改良業者や環境農業法人等へアプローチを試みること、また10月2日に予定されている広島大学中根周歩名誉教授の講演などから得た情報をもとに検討を行うこと。
4.アルジェ研究会 日本上空はバイオジェット20%(廣谷)
EUは、2020年以降上空を飛ぶ時バイオジェット燃料10%添加して飛ぶルールで評価を上げました。日本の場合10%となると58万kl要りますが、2020年では日本は僅か20~30kl製造出来るだけです。日本は6000万トンの都市ゴミがあり、10%をFT合成に回せばバイオジェット燃料100万klとなり、日本の上空飛行時のバイオジェット燃料は20%添加可能です。FT合成は2社が木材で実施検討中ですが、都市ゴミの方が安く確実に出来ると思われます。
5.熱エネルギー研究会(進藤)
木質バイオマスは、発電用より熱利用の方が、燃料エネルギーの約8割を直接有効活用できるので、地域資源を活用した熱供給ボイラーへの利用普及が進展しています。本年7月には「地方創成バイオマスサミット」が開催され、その中では熱利用を主体とした木質バイオマスによる各地の実施状況が報告されています。例えば、山形、高知、徳島、群馬等での公共施設(市庁舎、学校、福祉施設等)や温泉旅館等への熱供給事例です。また林野庁も各地の熱利用の事例を報告しています。FITに頼らず、化石燃料代替となる地産地消型の木質バイオマスの熱利用は今後期待されます。
6.林業システム研究会(篠崎)
①第136回(6月28日)から座長が渡辺雅樹常務理事から篠崎理事に変更になった。
②7月26日は林業研を休みにして竹林会議を千葉市の蘇我コミュニティセンターで開催
③第137回(8月30日)は通常通り田町CICで開催した。内容は7.と8.のプロジェクトの通りである。
7.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
8月25日の蔵前工業会の神奈川県支部の講演会でKシステムの開発の苦労話を報告しました。大変好評で、Kシステムの活動に参加希望者が出てきていただき大変嬉しく、かつ期待をしております。また、現在課題の解決に向けたデバイスの開発に鋭意取り組んでいます。
8.竹林プロジェクト(篠崎)
①竹林関係のHP内容を充実するべく検討中
②ポーラス竹炭の拡販努力:土壌改良剤開発メーカーを狙う。
③竹の集材方法の改善検討中:K-BETSのアイディアを竹もりの里に提示中
④DECAの完成を目指して検討中:近所の農家に応援依頼した。
⑤助成金申請中:申請書を提出したところ
⑥FG21のシンポジウム開催支援状況を報告:チラシ印刷完了
⑦防災や災害復興に竹を役立てることができないかと検討している。
9.バイオチクプロジェクト(渡辺)
プラスチックの脱石油化は、世界の先進国では本格的に進みだしています。欧州では、政府の主導による助成策、研究開発が活性化し、日本も取り組みを開始、企業レベルでの研究が活性化しています。
方向性としては、木質系バイオマスのセルロース・ヘミセルロス、エタノール、リグニンなどからバイオプラスチックを生成することで、余すところなく材料を活用して脱石油化を実現します。また、プラスチック廃棄物による海洋汚染の問題が、社会的にも大きく取上げられ石油系プラスチック製品の、使用を削減する動きが始まりました。
日本は、廃棄物処理とリサイクスシステムでは、世界で先進国ですが、海洋汚染の問題にこれからです。今後は、プラスチック廃棄物のルール徹底に向けて、啓発活動の充実が必要です。
10.ホームページによる情報発信
主に法人会員吉澤有介が要約した一般図書。および会員の研究ノートです。
- 「くう・ねる・のぐそ」伊沢正名著 2018年9月5日 [人体・動物]
- 「宗像大社・古代祭祀の原風景」正木 晃著 2018年8月30日 [社会・経済・政策]
- 「知られざる天才ニコラ・テスラ」新戸雅章著2018年8月10日 [社会・経済・政策]
- 「八幡さんの正体」鍛代敏雄著2018年8月4日 [社会・経済・政策]
- 「遺伝人類学入門」 太田博樹著 2018年8月1日 [人体・動物]
- 「単純な脳、複雑な(私)」池谷裕二著 2018年7月29日 [人体・動物]
- 「アイヌと縄文] 瀬川拓郎著 2018年7月30日 [気候・環境]
- 英、海洋へ流出しているマイクロビーズ含有製品販売禁止へ2018/7/7 [気候・環境]
- 「竜巻のふしぎ」森田正光・森さやか共著 2018年7月3日 [気候・環境]
- 「CRISPR究極の遺伝子編集技術の発見」ジェニファー・ダウドナ著 2018年6月20日 [人体・動物]
11.世界のバイオマス情報トピックス
特別顧問 佐野 勇 による世界のバイオマスから抜粋したトピックスです。
① 日本の人工光合成の研究 東京工業大学を中心とした研究グループが、酸フッ化物に光駆動による可視の光触媒効果があることを確認しました。これは可視光吸収性半導体物質を利用して、太陽エネルギーを燃料エネルギーに変換するということで、人工光合成と太陽エネルギー研究の新しい扉を開くものです。一方、人工光合成技術の実現に向けて、政府が支援する「光触媒」「分離膜」「合成触媒」研究プロジェクトが2012年度から始まり、太陽エネルギー、CO2を原料とするこの技術は、CO2排出量の削減および大気中の「CO2の固定化」を通じて脱炭素化の実現に大きく貢献すると期待されています。
② リグニン利用研究 米国再生可能エネルギー研究所 (NREL) の研究者を中心にした国際研究チームが、リグニンの変換に効果のあるリグニンを有用物質に変える酵素シトクロム酵素P450を発見して、その特質を明らかにしました。
③ 欧米の政策状況 米国エネルギー省は、バイオ原料を利用してバイオ燃料、バイオ製品の生成するときに必要な微生物の開発の開発研究資金として、4千万ドルの割当を決めました。 欧州委員会が各種使い捨てプラスチック製品の使用制限を含む海水汚染防止対策案を纏めましたが、内容は不十分で、 欧州の使い捨てプラスチック市場はいまだ先行き不明です。
特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)
(http://www.kuramae-bioenergy.jp/)
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
キャンパスイノベーションセンター801号室
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