田中雅臣、津村耕司編著、天文学者7人の共著、河出書房新社、2025年5月刊
編著者の田中さんは、東北大学大学院理学研究科天文学専攻教授。津村さんは東京都市大学理工学部自然科学科准教授で、共著者の7人は、それぞれ東京科学大学、国立天文台、東北大学、MIT、東京大学などで活躍している、第一線の研究者です。
天文学は最も歴史の長い学問の一つです。その宇宙を観測する技術は、近年、飛躍的に発達し、天文学者たちが長年探し求めていたものが、ついに観測されたり、全く予想外の新天体や、新現象が発見されています。そしてその度に、宇宙のさらなる謎が生まれてきました。書店には一般向けに、わかりやすく解説した本が多く並んでいますが、本書では、「最近やっとわかったこと」や、「まだわかっていないこと」に重点を置きました。そこがまさに研究最前線だからです。その一部を紹介しましょう。
①未知の天体は遠方からの使者 津村耕司(東京都市大学)
(今まで)遠い天体を近くから見られなかった。(最近)太陽系の外から恒星間天体が地球の近くまで来ていた。発見が続いている。(新たな謎)恒星間天体は、太陽系の惑星と似ているかどうか? それはどれくらい飛来しているのか? 意外に多そう。
②第2の地球はあるのか 佐藤文衛(東京科学大学)
(今まで)太陽系の外にも、地球のような惑星があるかはわかっていなかった。(最近)様々な恒星に、多様な惑星が発見された。(新たな謎)多様な惑星系は、どのようにつくられたのか? 第2の地球はあるのだろうか? 赤外線による超精密観測中。
③宇宙から地球に届く謎の信号 樫山和巳(東北大学)
(今まで)電波パルスは天の川銀河近傍に限られていた。(最近)40憶光年からも来ていた。(新たな謎)高速電波パルスはどの銀河で発生しているか? その正体は?
④重力波による時空の「さざ波」は観測できるのか 田中雅臣(東北大学)
(今まで)重力波は予言されていたが、観測されていなかった。(最近)重力波の観測に成功した。(新たな謎)中性子やブラックホールが合体すると、なにが起きるのか?
⑤宇宙を見る新たな眼 木村成生(東北大学)
(今まで)高エネルギー粒子が、ニュートリノをつくると予想されていたが、観測されていなかった。(最近)高エネルギーニュートリノの検出に成功した。(新たな謎)高エネルギーニュートリノの起源はどのような天体か?
⑥人類は初めてブラックホールの姿を捉えた 秋山和徳(MIT)
(今まで)ブラックホールの姿は見たことがなかった。(最近)初めてその影を捉えた。(新たな謎)ブラックホールの周辺では、何が起きているのか? 宇宙の初期には、多くの銀河とブラックホールができていましたが、成因は謎のままです。「了」
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