蔵前バイオ通信 第85号2024年9月15日
メールマガジン蔵前バイオ通信 第85号(2024年9月15日)をお届けします。昨年に続く猛暑の中、8月は活動を控えておりました。9月に入り、活動を開始しております。私達の活動状況と、自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。ご利用ください。また、私たちの活動に興味をお持ちの方々の参加を期待しています。ホームページよりご連絡ください。
*******************目次 ***************************
- 活動トピックス(編集部)
- 技術情報検討会(吉川)
- 熱エネルギー研究会(進藤)
- 林業システム研究会(篠崎)
- Kシステム開発プロジェクト(米谷)
- 竹林プロジェクト(篠崎)
- ホームページによる情報発信(編集部)
1.活動トピックス(編集部)
・公開講座「水と環境」第5回 を開催しました。
講座内容
(1)半導体製造における水利用:環境課題と効率の探求
講演者:トランザーフィルター日本株式会社 代表取締役 中村 裕司
(2)西川材の革新:ペレ炭を通じての水と環境問題への挑戦
講演者 :大河原木材株式会社 代表取締役 大河原 章上記2件のプレゼン資料をHP「公開講座 プレゼン資料」に掲載しましたのでご覧ください。
2.技術情報検討会(吉川)
今年の夏も非常に暑く、観測史上最も暑かった2023年夏と同程度だったとの報道があります。地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定では、産業革命以前からの地球の平均気温上昇を1.5度以内に抑えることを目標としていますが、今年、その目標を超えた可能性があるとされています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、産業革命以前には10年に1度の頻度で発生していた異常気象が、1.5度の気温上昇に伴い、熱波のリスクは4.1倍、豪雨のリスクは1.5倍に増加するとのことです。
地球温暖化が、人間活動によって排出され大気中に蓄積された二酸化炭素によって引き起こされているのであれば、その濃度を元に戻すことは非常に困難な課題です。仮に現状の世界各国が掲げる脱炭素化の目標が達成されたとしても、大気中の温室効果ガスは2050年まで増加し続ける可能性が高く、異常気象のリスクも一層高まることでしょう。
各国がパリ協定の目標を掲げている一方で、温暖化を食い止めるための実際の取り組みは十分とは言えません。今後の大気中の二酸化炭素濃度の増加を推定し、予測される自然災害の急増に備えた対策を早急に地球規模で検討すべきではないでしょうか。
3. 熱エネルギー研究会(進藤)
日本の最終エネルギー消費のうち、電力が約3割であるのに対して、熱利用は約6割以上を占め、化石燃料が主に使われています。多くの企業が脱炭素を目指す中、自社のCO2排出量を削減するには、熱の脱炭素を進める必要があります。その事例として、サントリーがウイスキーの蒸留において、水素による燃焼設備の実証試験に成功しています。この水素は再エネからの水電解による製造です。この様に、企業は脱炭素に向けて、熱源を水素やバイオマス燃料に変える動きが出てきています。
企業が熱の脱炭素に積極的に取り組み始めた背景の一因は、日本のカーボンプライシングとして、炭素に対する賦課金制度の導入により、コスト面からも必然性がでてくるからです。この制度は2028年度から、化石燃料ごとのCO2排出量に応じて、輸入事業者などに賦課される計画です。賦課金は企業が熱源設備に使う化石燃料の価格に転嫁される可能性が高いと予想されています。
4.林業システム研究会(篠崎)
(1)第200回記念林業システム研究会をハイブリッドで開催しました。
①場所は田町CICとしてKVS林雅弘氏の協力を頂き、宮地常務理事と3人がかりでZoom会議とのハイブリッドとしました。
②招待者としてこの研究会を立ち上げた渡辺雅樹氏を田町にお呼びしてお話を伺いました。
③通常の研究会の中に竹を使ったアルコールの「試飲会」を設け、評価を行いました。
④不慣れなため予定の議案を完了できず、次回に繰り越しましたことは、大変残念でした。
(2)エコプロ準備会を夜間のZoom会議で行いました。
①活発な意見が出され、今年の竹炭関係展示の大筋が決まりました。
②展示物、チラシ、モニター展示でブース配置の大枠を決めました。
③次回は10月に開催するとして、各自で準備するよう小林理事から要請がありました。
④トピックスとして小林理事の生家が雪国であり、生家の前の坂道で融雪実験が可能であることが判明したことです。
5.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
1)8月22日 王子木材緑化 訪問
面会者:小貫社長、小笠原 林業部部長、訪問者:清田、宮地、米谷
訪問主旨:王子の所有林の集材用にKシステムを多数購入の依頼
小貫社長と小笠原部長からのコメントと提案いただきました。「チェーンを使うKシステムには長所が沢山ある。V滑車のアイデアも素晴らしい、購入の前に、実際に稼働しているところを見てみたい。その結果を踏まえて、関東の近辺でも社有林で常時どこかで作業をしているのでKシステムを試用してみたい。候補地が決まったら連絡する。費用は王子負担で行える。」
2)南都留:進展がないので10月半ばにフォローする予定です。
3)飯能:飯能市森林づくり課が大幅な人事異動で具体的な計画が中断中、進行状況を注視して、働きかけを行ってまいります。
6. 竹林プロジェクト(篠崎)
6月から8月末は学会関係で大忙しでした。
(1)生態工学会年次大会@愛媛大学農学部(6月末)
①5件の発表をまとめてオーガナイズドセッションとして、司会を担当しました。内容を短く表現しますと、先導キャップ、融雪剤、早生桐、水紛争、ポーラス竹炭の構造です。
②年次大会は愛媛県松山市で開催されたので、ついでに高知県の四万十市まで足を延ばして、先導キャップの普及PRを行いました。
(2)建築学会関東大会@明治大学駿河台キャンパス(8月30日)
①千葉工大建築科石原教授のご依頼で卒論研究の代理発表を行いました。
②タイトルは「屋上緑化における竹炭、木炭の保水・排水特性」で、ポーラス竹炭の有意性が明確になりました。
7.ホームページによる情報発信(編集部)
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の活動報告・評論・提言・主張および情報紹介です。サロンの話題・調査・活動報告 (ダブルクリックでリンク先情報が表示されます)
「宇宙する頭脳」—物理学者は世界をどう眺めているのか 2024年9月7日 吉澤有介
「謎の平安前期」—桓武天皇から「源氏物語」誕生までの200年間— 2024年9月5日 吉澤有介
「枯木ワンダーランド」—枯死木がつなぐ虫・菌・動物と森林生態系-2024年8月22日 吉澤有介-
「古代ギリシャの日常生活」—生活文化から食生活、医療、軍事治安まで—2024年8月17日 吉澤有介
「恐竜大陸 中国」 2024年8月8日 吉澤有介
「ツキノワグマ」—すぐそこにいる野生動物— 2024年7月25日 吉澤有介
「水とは何か」(新装版)—ミクロに見たそのふるまい—2024年7月25日 吉澤有介
「動物たちは何をしゃべっているのか」2024年7月14日 吉澤有介
「ナショナリズムと政治意識」-「右」と「左」の思い込みを解く–2024年7月10日 吉澤有介
「人間の営みがわかる地理学入門」 2024年7月5日 吉澤有介
「日本列島はすごい」—水・森林・黄金を生んだ大地–2024年7月3日 吉澤有介
「アリの巣をめぐる冒険」?昆虫分類学の果てしなき世界?2024年6月30日 吉澤有介-
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