アメリカでは、「藻類」によるバイオマスエネルギー生産の研究開発が
盛んですが、日本ではほとんど、その様な情報が聞かれませんでした。
本日の新聞に、日本の筑波大のチームが、沖縄の海に生息する藻類の
中に、石油を作る能力が格段に優れた種類があることを発見した。
と報じられています。
この藻類は、１ヘクタールの面積で、年間１万トンの石油を作る能力が
あるとされ、これが事実であれば、日本の石油輸入量は２万ヘクタール
の耕作放棄地を利用することで、自給が可能になります。
まだまだ、研究課題は多くあると思われますが、日本のエネルギー自給
１００％が夢のまた夢であった時代が、過去の話になる時期も到来する
ことが期待されます。
「藻類」からのバイオ燃料は、いよいよ、本格的な研究開発の時期に
入ると思われます。
渡辺 雅樹
＜以下、参考情報＞
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朝日新聞 12月14日 夕刊 10面
『石油を創る藻類』沖縄に「有望株」生産能力、従来の10倍超
藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍
以上も油の生産能力の高いタイプを沖縄の海で発見した。
チームは工業利用に向けて当鵜居を申請している。
将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報と
なりそうだ。
茨城県で開かれた国際会議で14日に発表した。
筑波大の渡邉信教授、彼谷邦光特任教授らの研究チーム。
海水や泥の中にすむ「オ―ランチオキトリウム」という単細胞の藻類に
注目し、東京湾やベトナムの海などで計１５０株を採った。
これらの性質を調べてところ、沖縄の海で採れた株が極めて高い油の
生産能力を持つことが分かった。
球形で直径は５～１５マイクロメートル（マイクロは100万分の１）。
水中の有機物をもとに、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、
細胞内にため込む性質がある。
同じ温度条件で培養すると、これまで有望だとされていた藻類にの
ボトリオコッカスに比べて、10～12倍の量の炭化水素をつくることが分かった。
研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば面積
１ヘクタールあたり年間役１万トン作り出せる。
「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約２万ヘクタールにすれば、
日本の石油輸入量の匹敵する生産量になる」としている。
炭化水素をつくる藻類は、複数の種類がしられているが生産効率の
低さがが課題だった。
渡邉信教授は「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に
１リットル５０円以下で供給できるようになるだろう」と話している。
また、この藻類は水中に有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを
浄化しながら油を生産するプラントをつくる一石二鳥の構想もある。