アグリビジネス創出フェアの講演の記録
講師は三菱総研理事長、元東大総長 小宮山宏さん
1. 人工物は飽和する
自動車、セメント、鉄鋼、電化製品すべての物質は国民の手に行き
渡ると後は劣化更新のサイクルになり飽和してしまう。
中国の生産と需要急成長しているが飽和点に達するのは意外と早い。
今のペースで進むと3~5年くらいで達してしまう可能性がある。
日本のパッケージ輸出政策はもろい面を持っている。
2. ビジョン2050
エネルギー効率3倍
再生可能エネルギー2倍
物質循環システムの構築 ネオジウム、リチュウムのリサイクル
システムをまず作ること。資源はリサイクルして後世に残す。
高齢化は日本だけでなく世界全体の傾向である。
3. 2種類の需要
項目1に該当する普及型需要は飽和する。
創造型需要は内需を生み雇用を創出する。
グリーン成長産業など・・・
これらから生まれる需要:高齢者に不可欠な製品群・・・
など開拓していく。
4. エネルギーの効率化
2050年には自動車の効率は5~10倍にアップ(電気自動車になる)。
発電効率も米中25%であるが日本のように40~45%になる。
日本の戦略は生産現場でなく家庭・オフィースと輸送部門での効率アップ。
家庭では二重ガラスで断熱性アップ。
給湯設備ではヒートポンプを活用する。
効率を上げる手段は無数にあり研究開発が急がれる。
5. 2050年ビジョン自給率
日本は輸入国から21世紀型モデルへ脱皮する。
エネルギー 70%
資源 70%
食料 70% 農業の生産性を上げ地域の活性化
6. 世界をリードする国はどこか
かってはローマ、唐、フランス、英国、アメリカと変わってきた。
日本も先進国を坂の上の雲として追いかけた。
その結果白い雲の中に納まっている。
理想の国はまだ存在しない。
生み出したいのは「プラチナ社会」である。
エコロジカルで / 高齢者が参加し / 人が成長し続け / 雇用がある社会
グリーン / シルバー / ゴールドに燦然と輝く持続可能な社会である。
7. プラチナ構想ネットワークがスタート
坂の上の雲の時代 →途上国モデル: 国が主導して所得倍増計画
雲に入って霧の時代 →先進国モデル: プラチナ構想
新しい産業 エコハウス / エコカー / 太陽発電 / 水・食料・・
新しい雇用、経済の活性化 健康管理 / 生涯学習 / 知の構造化・・
市民が主役で活動の場は地域。
国が主導するのではなく地域主導で都市、大学、姉妹都市等のネット
ワークを通して全体の強化を図っていく。
記 福島 巖