私はセルロースアルコールの問題と、藻バイオからの燃料について特に興味を
持っている。
バークレイのエネルギーバイオ研究所(EBI)の報告書
「藻バイオ燃料実現の可能性」
は特に注目して読みました。
そのレポートによると藻のバイオ燃料の実現には10年掛かるということで、
がっかりした気持ちと、アメリカでもそうなのかと安心した気持ちである。
日ごろ日本が遅れていると思いこんでいるので焦っていた。
アメリカでは次々新しい発表があり、今にも実現できるような雰囲気であったが
冷静にみると日本より若干先を行く程度と思われる。
しかし100社のベンチャーが藻に挑戦しているようで、また研究の活力が生きてく
れば実現はもっと早く出来ると思っている。
レポートによると油のコストの分岐点が
面積100haの池で 176円/L(330$/バーレル;85円/$で計算)
面積250haの池で 128円/L(240$/バーレル)
実際のコストはどうか若干不明のところもあるが、これが目標であろう。
筑波大学生命環境科学研究所 渡邉信教授による実験データから計算すると
155円/Lとなっている。
油の取れ量をアメリカのデータと渡邊教授のもの比較すると
米国のレポート 20g/m2/ 日
渡邉信データ 32g/m2/ 日 (=118トン/ ha/年 )
となっておりむしろ日本のデータが高くなっているようである。
佐野レポートから最近セルロースアルコールのコストは20円/Lとか40円/Lと
かのデータが出てきており、その方の実現が早いようである。
藻の実現する状況は5つの条件が満足しないと難しいとしている。
その5条件は水、栄養源(N、P等)、光、炭酸ガス、土地の面積であり、特に
炭酸ガスの条件が重要であるとしている。
水、栄養源に関しては水処理の排水を利用するなどで運用されるケースが多い。
しかし炭酸ガスに関しては色々問題があるようだ。
不純物のない炭酸ガスを捜すことが難しいようで、その意味ではきれいな炭酸
ガス(酒造会社から出てくる炭酸ガス等)は貴重な存在である。
アメリカは藻の収量、油の収量を少なくとも2倍にしなければ実現は難しい
としており、その実現には遺伝子組み換え操作が必要だとしている。
以上