藻バイオ燃料実現の可能性 2010年11月18日 廣谷 精

私はセルロースアルコールの問題と、藻バイオからの燃料について特に興味を
持っている。
 バークレイのエネルギーバイオ研究所(EBI)の報告書
 「藻バイオ燃料実現の可能性」
は特に注目して読みました。

そのレポートによると藻のバイオ燃料の実現には10年掛かるということで、
がっかりした気持ちと、アメリカでもそうなのかと安心した気持ちである。
日ごろ日本が遅れていると思いこんでいるので焦っていた。
アメリカでは次々新しい発表があり、今にも実現できるような雰囲気であったが
冷静にみると日本より若干先を行く程度と思われる。
しかし
100社のベンチャーが藻に挑戦しているようで、また研究の活力が生きてく
れば実現はもっと早く出来ると思っている。

  レポートによると油のコストの分岐点が

面積100haの池で   176/L(330/バーレル;85/$で計算)
面積250haの池で   128/L(240/バーレル)


実際のコストはどうか若干不明のところもあるが、これが目標であろう。
筑波大学生命環境科学研究所 渡邉信教授による実験データから計算すると
155/Lとなっている。

油の取れ量をアメリカのデータと渡邊教授のもの比較すると

     米国のレポート     20/2/  
     渡邉信データ 
                32/2/ 日  (=118トン/ ha/ 
となっており
むしろ日本のデータが高くなっているようである。
 佐野レポートから最近セルロースアルコールのコストは20/Lとか40/Lと
かの
データが出てきており、その方の実現が早いようである。

  藻の実現する状況は5つの条件が満足しないと難しいとしている。
その5条件は水、栄養源(
NP等)、光、炭酸ガス、土地の面積であり、特に
炭酸ガスの条件が重要であるとしている。
水、栄養源に関しては水処理の排水を利用するなどで運用されるケースが多い。

しかし炭酸ガスに関しては色々問題があるようだ。
不純物のない炭酸ガスを捜すことが難しいようで、その意味ではきれいな炭酸
ガス
(酒造会社から出てくる炭酸ガス等)は貴重な存在である。

  アメリカは藻の収量、油の収量を少なくとも2倍にしなければ実現は難しい
としており、その実現には遺伝子組み換え操作が必要だとしている。
  以上

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