バイオ燃料と道徳律

”世界のバイオマス関連セレクション”バイオ燃料と道徳律
On biofuels, we have to make a moral choice
Guardian June 11, 2008
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/jun/11/biofuels/print

エネルギー原料として植物を使うことは、理論的には優れた発想である。ただしそれは、全工程サイクルのなかでエネルギー効率が最大限で、無駄が最小限になる場合に限る。しかもそれをできる限り早く達成しなくてはならない。
それにしても10年以内にEUの自動車燃料の10%をバイオ燃料にするという目標は現実的でない。それは需要が急激に増えるため穀物の値段は上がり、森や草地に農地が広がり、貴重な野生生物の生存環境を破壊し、貯留されていた二酸化炭素を大気中に排出するなどの好ましくない影響を伴うものである。生産性の改善で目標の達成が可能とする主張は、予想される結果とはきわめてかけ離れたものである。相場の操作に関しては、これは国際的な穀物市場の問題であって、実施しようとしたらWTOやヨーロッパ委員会などからの厳しい反対が出ることが容易に予想できる。今週はEUが政策を再検討できる最後の機会である。

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