ビル・ゲイツのエネルギー革命への道

MIT Technology Review   August 24, 2010
Q&A: Bill Gates    By Jason Pontin
The cofounder of Microsoft talks energy, philanthropy and management style.
http://www.technologyreview.com/printer_friendly_article.aspx?id=
26112&channel=energy§ion
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New York Times DE  August 24, 2010
The Gates Path to an Energy Revolution     By Andrew Revkin
http://dotearth.blogs.nytimes.com/2010/08/24/the-gates-path-to-an-
energy-revolution/?pagemode=print

ビル・ゲイツが MIT Technology Review とのインタビューで、2050年の70億人の
地球人口を支えるには安いエネルギーと公衆衛生が必要であること。エネルギー関連
技術のブレークスルーには継続的かつ大型のR/D投資が必要なことなどを語った。
これに対してニューヨークタイムズが、識者の代表Richar Rosen とのディベートの形
で論評した。

今回のビルゲイツ氏の対談情報をいただきまして、アメリカの状況の理解を
する上での、参考になりました。
要点としては、次の論点があげられていると思います。
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1.エネルギー技術革新には、開発投資をもっと大幅に拡大する必要がある。
2.政府の投資資金は限定的であり、これでは世界で必要としているエネルギーを
大量に安く提供できるには少なすぎる。、
3.アメリカのおカネ持ちは増えているが使い方に困っている。寄付を拡大すべきだ。
4.企業は投資の見返りが少ないエネルギー技術革新には、儲からないので投資をしたがらない。
5.国の税収とカネ持ちの寄付金を、長期にわたって投資することをアメリカが率先すべきだ。
このゲイツ氏の主張は、全面的に肯定すべき主張で、おおいに広める必要がある。
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その先の投資の対象、お金の使い方において、議論が分かれる様ですが、要点を整理してみると、
以下の様になると思います。

6.(ゲイツ氏)革新的なエネルギーの基礎技術に大型の研究投資をして、
石炭発電より安い電力を供給可能にする革命的技術を開発する。
それを可能にするために、現有技術ではない革新的な基礎研究投資を拡大する。
7.(ローゼン氏)現有技術ではなく、革新的なエネルギー技術の実現に期待して研究投資を
国が拡大するのはリスクが大きく、実現できないであろう。
それよりも、現有技術の改善、進化を図る研究投資に向けるべきである。
この対立する意見の違いは、ビルゲイツ氏が、情報技術分野で成功してきた体験から、
大きな技術革新の可能性に期待しているのに対し、ローゼン氏は(35年の経験から)、
エネルギー技術は理論的に積み上げて進化する技術で、革命的な技術の可能性は無理で、
研究開発投資の目的は、生産コストの削減に向けるべきである。
としている。
この様な将来技術展望への期待度が、研究投資先の対象が大きく違ってきている。
これは、アメリカのフロンティア精神に富んだ開拓者の中での論争である。
しかし、日本においては、圧倒的に研究投資規模が少なく、革新的な技術への研究体制も
人材も少ない段階で、国としてはどの方向をとるべきかは、議論にもなっていない。
特にバイオマスエネルギーの将来を担う「藻類」についての研究は、縦割り行政の
弊害と、国としての将来エネルギー戦略が、まったく間違っているために、
効果的な研究開発投資と、促進すべき対象技術は、手探り状況に放置されている。
日本はもっと「バイオマス資源のエネルギー化」を重要な国策とすることから、
始める必要があり、それによる研究投資対象の分野が見えてくると考えます。
記     渡辺 雅樹

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