世界のバイオマスエネルギーの限界

”世界のバイオマス関連セレクション”世界のバイオマスエネルギーの限界
Global Limits of Biomass Energy
ScienceDaily June 14, 2008
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/06/080611181214.htm

Trends in Ecology and Evolution 2月号にGlobal Ecology部門の責任者Chris Fieldが、バイオマスエネルギーについて冷静な観察を発表した。それによるとバイオマスには、カーボンニュートラルであることを中心に多くの利点もあるが、エネルギー需要の充足という面では限界があることを明らかにしている。たとえば、世界の全農耕地が固定する二酸化炭素の量が約70億トンであるのに対して、化石燃料が排出する二酸化炭素の量はこれを上回る77億トンである。バイオマスエネルギーがネットの温暖化を減らし、かつ食糧生産との競合を避けられる面積部分で可能性が高いのは、現在は使われなくなった旧農耕地のうち、山林、放牧あるいは住宅地に転換されていない部分で、この条件に該当する土地は、世界で150万平方マイルある。現実的にここで生産したエネルギー穀物が産出できるエネルギー量は、27 x 1018 ジュール (27 exajoule) になる。これは大変な量のエネルギーで、原油に換算すれば1億7,200万バレルに相当する。しかしそれでもバイオマスが産出するエネルギーは、世界のエネルギー需要の5%にしかならない。研究は結論として、バイオマスエネルギーには、対応を誤らず環境を侵さずにある規模まで発展すれば、エネルギーの独立を推進し、健全な農業経済を支え、気候変動の進行を抑制することができる、魅力的な機会があるとまとめている。しかしその規模がある限度を越えると、食の安全を脅かし、気候変動を推進する危険があることも指摘している。

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