エネルギー: 70年代の教訓から学ぶもの

”世界のバイオマス関連セレクション”エネルギー: 70年代の教訓から学ぶもの
A Gift from the ’70s: Energy Lessons

New York Times October 7, 2008
http://www.nytimes.com/2008/10/07/science/07tier.html

両大統領候補がアメリカのエネルギーの将来を訴えているが、二人のビジョンを突き詰めると70年代に活発だったハードパス (hard path) 対ソフトパス (soft path) の論争の復活である。ソフトパスというのは1970年代に Amory Lovins が作った造語で、オバマ候補が主張するエネルギーの保存、太陽、風力、バイオマス利用による温室効果ガスの削減はこれに当たる。一方マケイン候補が熱心に推進する原子力発電所の建設案は典型的なハードパスである。1970年代のものを改変するのはあまり良い考えではない。しかし今回のディベートだけは別である。しかもそれは地球温暖化の危険だけの理由ではない。著書地球エネルギー (Terrestrial energy) のなかでhard-soft論争についてWilliam Tuckerが書いているように、過去の教訓は将来にも役立つ手引きとなる。原子力発電に関する最初の論争は、1979年のスリーマイル島のメルトダウンの直後に終わりを告げた。コストの上昇が主な理由だが、住民の不安も重なって電力会社は原子力発電設備の発注を軒並みキャンセルした。Lovinsと支持者たちは、かつては計算できないほど安いと言われた原子力が、心配しきれないほど高くなった言う表現を好んで使っていた。

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