国連 バイオ燃料助成金を批判

”世界のバイオマス関連セレクション”国連 バイオ燃料助成金を批判
U.N. Says Biofuel Subsidies Raise Food Bill and Hunger

New York Times October 8, 2008
http://www.nytimes.com/2008/10/08/world/europe/08italy.html?ref=science

国連は、バイオ燃料に関する助成金と政策が食糧の値上がりと貧しい国の飢餓を招いているとして、その見直しを要請した。先進国の多くがバイオ燃料の生産を推進する政策と助成策を実施しているため、農民が食料用より燃料用の作物の栽培を優先するようになり、すでにこれが世界的な食料不足を招いている。国連食糧農業機関 (FAO) のJacques Diouf事務局長は昨日発行された報告書の中で、世界の食糧の安全供給を確保し、貧しい農民を守り、幅広い農村開発を促進し、自然環境を保全するために、現在の各国の政策を至急に改善すべきことを強調している。報告書の発表に当たり、国連は多数の環境グループと国際的に著名な専門家とも協力して、各国の助成金を撤廃するか、もしくは最低でも植物を原料としたバイオ燃料への助成金の見直しをすることを求めている。OECDも今年の夏に公開した厳しい評価報告で、加盟諸国が行っているバイオ燃料の製造支援は極めて多額に上り、それによって得られる温室効果ガスの削減効果とエネルギーの安全保障の効果は限定的なものに過ぎないと結論し、しかもそれが世界の食糧価格の上昇に大きなインパクトを与えたことも指摘した。

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