セルローズエタノールのコストを節減する新バクテリア

”世界のバイオマス関連セレクション”セルローズエタノールのコストを節減する新バクテリア
A new strain of bacteria could make cellulosic ethanol cheaper

MIT Technology Review September 9, 2008
http://www.technologyreview.com/Energy/21347/

ダートマス大学のLee Lynd教授によると、高温になるとセルローズを分解するに必要な、高価なイーストの量が半分以下になる。さらに教授の説明では、イーストはグルコースしか醗酵しないのに対して、このバクテリアはバイオマスに含まれるすべての種類の糖を、同時に短時間で処理することができる。セルローズからエタノールを作るには、構造の複雑なセルローズをグルコースなどの単純な糖に分解する工程と、酵素醗酵でエタノールに変える工程の二つの工程が必要で、いずれもコストが高い。酵素だけでエタノール1ガロンにつき約50セントかかる。さらに第二の工程にも、普通の酵素ではバイオマスに含まれている5種類の糖のうちの、グルコースしか醗酵できない欠点がある。Mascomaの共同創立者でもある Lynd教授が目指しているのは、セルローズとヘミセルローズを効率的に分解し、できた糖をすべて醗酵できる機能をもった微生物を作ることである。さらにMascomaは、簡単な一工程でセルローズエタノールを作る方法を開発中である。

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