ポリマーベースの高容量蓄電器

”世界のバイオマス関連セレクション”ポリマーベースの高容量蓄電器
Polymer Electric Storage, Flexible And Adaptable

ScienceDaily August 21, 2008
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/08/080820163105.htm

太陽、風力から海流まで利用する発電が増え、他方で電気自動車が実用化に向けて急展開しているに伴い、柔軟で信頼性の高い高容量の電気貯蔵が必要とされるようになった。ペンシルバニア州立大の技術陣は、強誘電性ポリマーを使って従来品より迅速に給電できる軽量キャパシタの開発に取り組んでいる。材料科学が専門のQing Wang准教授によれば、「電気エネルギーの貯蔵はすべての電気、電子システムに必要だが、太陽電池のような再生可能なエネルギーなども含め、余剰の電気エネルギーを貯蔵するニーズがあらゆる分野で広まっている。」Wangらのチームは、フィラデルフィアで開かれた米国化学会で、電力密度を調整できるポリマーと、キャパシタ用のポリマーとセラミックのナノコンポジットの開発について、2件の報告を行った。現在電力調整に使っているキャパシタが、将来は特性を調整したポリマーを使えばバッテリーに代替すると考えている。「これまでキャパシタにはセラミック材料が使われてきたが、これには重量が重いことと壊れやすい欠点があった。自動車用には軽い電気貯蔵装置が不可欠である。」研究チームはポリフッ化ビニリデンとトリフロロエチレンのコポリマーを開発した。これにクロロトリフロロエチレンを添加すると、室温できわめて高い誘電率を示す。誘電率は一定の電場のなかでどれだけの電荷を蓄えられるかを示す値で、キャパシタにエネルギーを蓄えるときの材料の特性も示す。チームはポリマーの成分量を変えることによって、誘電特性とエネルギー密度を調整できることを発見した。

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