割り箸がアジアの森を侵している

New York Times GI Oct 24, 2011

Disposable Chopsticks Strip Asian Forests
http://green.blogs.nytimes.com/2011/10/24/disposable-chopsticks-strip-asian-forests

箸はアジア全域で使っている食事用具である。
とくに日本では最高級の和食レストランでも使い捨てが普通である。
中国林野庁の統計では570億膳の使い捨て箸を作るために毎年380万本の木が
伐採されている。
中国製割り箸は衛生上にも問題があるようだ。
しかし日本でもマイ箸持参が普及し始めコンビにでも必要な人にだけ出すようになった。

コメント  吉沢有介 2011.10.26

皆さんもすでにご存知のように、割り箸問題はすでに明確になっています。
話の始まりは、生半可な環境保護団体が事情を知らないまま、割り箸追放
運動を起こしたことにありました。
マスコミも悪乗りして大きな騒ぎになってしまったのです。
そのために林業家たちは、間伐材や製材の端材を有効活用するという、先
祖伝来の林業経営の知恵を無情に踏みにじられて、わずかな収入の道を絶
たれてしまいました。
国内林業が壊滅した大きな要因の一つになったのです。
しかし文化的に根強い需要があったので、商社は中国からの全面的輸入に
転換してしまいました。
中国では渡りに船と、森を切りまくったのです。
おもに東北地方(旧満州)で森林破壊が進み、ついに政府が規制すると、
中国ではロシアから原木を輸入して加工し、日本に輸出するということに
なりました。
そこでロシア(シベリア)に森林破壊が拡大して、ロシア政府が中国に対
して輸出禁止に踏み切ったというわけです。彼らには健全な林業経営という視点はありません。
売れるとなればどんどん伐採して、全部を割り箸し加工します。
その加工方法も問題で、防腐剤や漂白剤を多量に使用し、充分な洗浄をしないため、発がん性
のおそれがあるといわれています。
量的にも輸入もまもなくなりそうな気配になってきました。
このような次第で、ようやく国内での林業再生のために、最近各地で割り箸の生産が復活しつ
つあります。しかし過去の傷跡はあまりにも大きいために、前途は決して明るくありません。

一方、一部の外食店でプラステック箸を出していますが、洗浄するためのコストが大きくて、
割り箸よりかえって高くつくそうです。

こうなると結局のところ、日本文化と林業支援、森林再生のためにも、割り箸についての適切
な施策を再検討することが求められるでしょう。

 

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