蔵前バイオ通信 第58号 2019年7月20日

令和時代2件目のメールマガジン蔵前バイオ通信 第58号をお届けします。
今回も、私たちの活動状況と自然エネルギー利用の有益な情報をご案内いたします。是非ご活用ください。私たちの活動に興味をお持ちの方の参加をお願いします。蔵前バイオ通信 第58号 2019年7月20日

*******************目次 *****************
1. 活動トピックス
2. 技術情報検討会(吉川)
3. 熱エネルギー研究会(進藤)
4. 林業システム研究会(篠崎)
5. Kシステム開発プロジェクト(米谷)
6. 竹林プロジェクト(篠崎)
7. ホームページによる情報発信
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1.活動トピックス

  • ホームページ情報の更新
    ①2018年度の本NPOの法人としての活動を「私たちの情報」-「公告・蔵前バイオ通信バックナンバー」のページに「2018年度貸借対照表」および2018年度事業報告書を公開しました。
    ②活動報告のカテゴリーを整理し、私たちの活動の一つである啓蒙活動の活性化を目的に「再生可能資源情報」「評論・提言・主張」を新設し、内容を充実と読み易さを実現しました。HPの活動報告のメニューからご覧ください。
  • 7月例会後に勉強会を開催しました。
    講師 河野通之 氏 蔵前バイオエネルギー会員
    議題:4K3Dモニター
    現在、急速に進歩している3Dモニターの基本技術とそして、医療分野における最新の3Dモニターの活用とその効果など、高度な内容を分かり易く解説しました。医療分野の応用は大変利用価値のある利用で最新の外科医療の進歩大きく貢献していることがよく理解できました。そしてそれは我々の年代の関心事でもありました。

2.技術情報検討会(吉川)
 廃プラによる海洋汚染問題が大きく報道されており、大阪で開かれたG20首脳会議でも議題の一つとなりました。さっそく、検討会でもこの問題を取り上げ議論しました。
日米欧で回収された廃プラの少なからぬ量が中国、ベトナム、マレーシア等に輸出され、再利用されていたのですが、リサイクルに適さない汚れた廃プラは海洋に廃棄される事もあり、海洋汚染の原因となっていました。このため、中国をはじめ、各国が輸入禁止に踏み切ったので、行き場が無くなった廃プラが急増しています。(日経2019/3/27など)
首脳会議の議長国である日本は海洋プラごみ削減の行動計画を発表しています(環境省)。まず、使用量削減、リユース、リサイクルに本気で取組むプランですが、代替素材として海洋生分解性プラスチックの開発も掲げられています。
一方、これに呼応して産業界の動きが活発です。リユース、リサイクルのほかバイオプラスチックへの切り替えもあります。しかし、バイオプラスチックは温暖化ガス削減に寄与しますが、必ずしも「バイオプラスチック=生分解性」ではなく、現時点では海中での生分解性のあるバイオプラスチックはまだ実用化されていません。早期の開発に期待しています。

3.熱エネルギー研究会(進藤)
 再生可能エネルギー関連機器の国内生産が急減しているとの報道が本年5月にありました。風力関連機器の生産額は、大手の日本企業の撤退により16年度の生産額の3分の1になっており、日本の風力市場は欧米企業が席巻しています。太陽光発電機器の生産額はピークの14年度から半減しています。これは中国や韓国企業が低価格で攻勢を掛けているので、京セラなどが太陽光パネルの生産を中止しています。英国等では洋上風力の入札時に自国機器調達を重視して落札者を決めるなどFITを産業振興に結びつける枠組みがあります。日本も再エネ普及には、FITの運用を国内産業振興に向ける方策が必要などの議論をしました。

4.林業システム研究会(篠崎)
①間伐した木材を所定の場所まで搬出する技術であるKシステムが世に出るきっかけが生まれたようで、今後の進展が期待されます。
②竹林整備技術は間伐竹材の搬出に経費が最も多く必要であることが解かり、現在コスト低減を図っています。その際、キャップが重要な役割を果たすことが解かって来たので、その開発を行っています。
③竹を燃料として用いるバイオマス発電の構想が出されて久しいが、竹専焼発電、木やバークとの混焼発電が本格稼働したというニュースに乏しい。クリンカ発生防止が予想外に難しいと推定されます。

5.Kシステム開発プロジェクト(米谷)
4月にKシステムで集材した湯河原で、タワーヤーダーの約100mの下げ集材作業の見学を行いました。架線集材技術に長けた西湘造林の作業者が約半日で架線の設置をし、順調時のサイクルタイム約5分と高速でした。しかし、ワイヤーがウインチドラムから外れ巻き直しを行う作業の発生も見られました。集材現場の条件は実に様々で、我々のKシステムは、適切な条件下で使用すれば十分対抗できると感じました。
4月の湯河原におけるKシステム集材作業見学会参加者の山梨県森林総合研究所が、7月に「関東中部林業試験研究機関」の森林作業の研究会を山梨で開催いたしました。その中で、「Kシステムは設置が簡単で安全なシステムだ」と紹介され、参加した研究者にその良さが評価され、「使ってみたい」とのコメントを戴きました。

6.竹林プロジェクト(篠崎)
①他の活動家たちを呼んで竹林会議を開催したところ、参加した人から大変勉強になったとお礼の言葉がありました。活動の成果を広める活動は必要だと改めて感じました。
②竹専用キャップの開発を行っていますが、このほど各種アイディアの試作品を集めてキャップコンテストを行いました。実際に試用してみると思わぬ欠点が見えて来るもので、完璧なものはなかったのですが、必要十分条件を確認することができました。この知見を基に開発を進めていきます。
③最近開発したポーラス竹炭製造用大型の炭化炉の性能を生態工学会年次大会で発表しました。まだ頑張っておられるのですね、と大学や研究機関の先生方から励まされています。
④長雨の影響で野菜や花卉の生育が妨げられているようです。ポーラス竹炭の効果が発揮できれば却って好機となる気がしています。

7.ホームページによる情報発信
主に会員吉澤有介が要約した一般図書。会員の評論・提言・主張および情報紹介です。

評論・提言
バイオジェット燃料の新しい道 2019年7月11日 廣谷 精
再生可能資源情報
英国政府の公報Energy Trends による最新の電力情報 2019/6/30荒川英敏
英国政府、プラスチック製のストロー、スターラー、綿棒の使用禁止へ 2019/6/25荒川英敏
サロンの話題 ほんの紹介
「鳥ってすごい!」樋口広芳著 2019年7月18日 吉澤有介
地球はなぜ「水の惑星」なのか 唐戸俊一郎著 2019年7月14日 吉澤有介 
「ガリレオの求職活動・ニュートンの家計簿」佐藤満彦著 2019年7月5日 吉澤有介
「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」川上和人著 2019年6月27日 吉澤有介
「植物たちの戦争」 日本植物病理学会編著 2019年6月20日 吉澤有介
「樹木たちの知られざる生活」 ペーター・ヴォールレーベン著、長谷川圭訳 2019年6月16日 吉澤有介
「建築から見た日本古代史」武澤秀一著 2019年6月12日 吉澤有介
「太平洋」-その深層で起こっていること-蒲生俊敬著 2019年6月8日 吉澤有介

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特定非営利活動法人 蔵前バイオエネルギー(略称 K-BETS)(https://www.kuramae-bioenergy.jp/)
〒108-0023東京都港区芝浦3-3-6
キャンパスイノベーションセンター801号室
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