放置竹林を生かす 松林正之 2013年11月5日 ミニ講演会

1.日時 11月5日(火)17:30~19:30(全終了20:00)

2.場所  田町CICF 講演会:KVS室、懇親会:談話室

3.講師  松林正之氏 ㈳日本プロジェクト産業協議会中部委員会主席研究員その他 (技術士)

4.参加者 16人

(1)K-BETS:吉川、福島、米谷、渡辺、進藤、脇谷、宮地、阿部、岩田、篠崎

(2)竹もりの里:鹿嶋、田島
(3)ゲスト:西出(バンブーワークス主宰)、橋本要(プロ写真家)、澤田訓男(埼玉県のトマト農園)

5.ミニ講演会
要約及び講演会の写真集などmatubayashi1105.pdf

(1)松林正之氏:持参された資料を用いて講演および要約

①「放置竹林を活かす」“食”を軸とした循環型社会の構築 知多半島編 松林正之著

・バイブルともいえる76頁の鶯色の本(冊子)を参加者全員に配布してくれた。感謝

・まえおきも素晴らしい内容

②竹炭の土壌改良材による農作物栽培事例紹介 松林正之著(抄録:篠崎)

篤農家で研究熱心な三重県多気町の北川清生氏(トマト農家)やその教えを受けた村林光明氏がバイオ炭を積極的に活用してどのような効果があったのかを徹底して追求された。

その効果を要約すると

(1)土の団粒構造が促進される(有機農業の基本である土の改善)。一般に言われている多孔質の炭が微生物の住家となって毛細管の発達や養分の吸収能力を向上させる。

その効果として病気にかかりにくく減農薬、無化学肥料で作物は健全に成長する。

トマトの事例では糖度の高い(糖度6.3から8.8にアップ)比重の大きな(水に沈む)消費者に好まれる良質なものが得られた。

(2)トマトのコストパーフォーマンス
反当りの収入が3割も増加。バイオ炭の価格は200/kgで30アール当たりの費用が約10万円であった。農薬や化学肥料なども大幅にさがっているがこれらを度外視しても10万の投資に対して100万円の増収が得られている。
(3)使用した竹炭
放置林の竹林を間伐して野焼きし、2〜3時間後に水をかけて消し炭を作る。5人で労務費800/時の労務費を見積もって製造費用はkgあたり300以下と想定される。

(4)トマト以外の野菜に対する影響
炭を使った地区と無使用地区との比較実験の結果は
・葉菜類:1.5倍から2倍 1kg/m〜2kg/mホウレンソウなど
・根菜類:1.5倍から2倍 1kg/m〜2kg/m2 ダイコンなど
・マメ類:1.2倍から1.4倍 増産効果は多種に比べて小さい
・イモ類:1.5倍から2倍 1kg/m〜2kg/m2  ジャガイモ
炭は多すぎても無害であって安心。2kg/mでピークになりそれ以上の効果は小さい。

③プラネット農園 プラネット農園のコンセプト ~自然栽培プラス~ 松林正之著

・自然林の土壌生態系を畑で再現し、その仕組みを利用して、さらに増幅させて野菜を栽培する。

・無肥料・無農薬栽培:有機肥料も化学肥料も使わない。農薬も不要だから使わない。

・竹チップを撒布するだけ(これは土壌改良材なので、上記に反しない):20m/10a・年

・野菜を健康で美味しく育成:硝酸態窒素が1/151/20、糖度が1.52.0

・菌根菌の活躍が鍵:野菜に栄養と水を供給し、代わりにブドウ糖を貰う。(共生)

・菌糸が野菜の値の数十倍の深さに伸び、深い土地から水分を供給するとともに土を団粒化する。

・無農薬は虫の効果:虫は過剰栄養で腐る葉を食べにくるが、硝酸態窒素が少なく腐らないので虫が来ない。

カテゴリー: バイオマスの燃料利用, 竹林関連 パーマリンク