実施日時:2013年6月16日 10:00~12:00
調査地 :栃木県那須塩原市塩原6
面談者 :田中屋 総支配人 田中 三郎 氏
株式会社 山形屋 製造部長 加藤 玲杜 氏
訪問者 :K-BETS 阿部、本多、岩田、渡辺、宮地(記録)
田中屋は給湯用の重油ボイラーを2基設置して温泉の洗い場(カラン)と部屋の暖房に使ってきた。重油の使用料金は約300万円/年であった。
この重油を減らすため木材を丸太のまま燃焼できるバイオマスボイラーを2基導入して大きな成果を得ているのでその実情を調査した。
(1)バイオマスボイラー導入効果
1年間の運転実績では重油使用料金が50万円に減少し、バイオマスボイラーの運転費用を考慮しても200万円/年の利益を得ることができた。
(2)バイオマスボイラーの運転
材料は間伐材を中心に利用している。生木は燃焼上問題があり乾燥をしっかり管理するようにした。800坪の場所を確保して1m程度に積み上げて野ざらしのまま約3ケ月乾燥している。
丸太は手に持ってみると乾燥度の見当がつくのでバランスを取りながら投入している。乾燥しすぎると燃えるのが速く問題がでる。1次の燃焼室温度が250~230℃以上あれば煙はでない。灰は週1回取り出している。
(3)給湯の系統
温水はバイオマスボイラーから貯湯タンク(6トン)に集めた後熱交換器を介して既設ボイラータンクつながって、ここから使用先に送られている。
(4)バイオマスボイラーを使いこなすには
温泉地のカランなど毎日コンスタントにお湯の供給先が確保できていることが条件である。
重油ボイラーに比べて木材の大量使用になるため次の条件が必要である。
A.温泉地のある場所で
a.バイオマスボイラー設備と薪置き場(直近)
b.間伐材乾燥場(多少離れていても良い)のかなりなスペースを確保する必要がある
B.間伐材が必要量確保できる立地条件であること
田中屋はA.とB.の条件を満たした上で運転ノウハウを積み重ねて成果を得たものであり非常に参考になった。
田中屋全景右側に設備がある 田中さんにインタビュー
給湯タンクと薪置き場 バイオマスボイラー本体設備
薪置き場の情況 6km離れた所にある木材乾燥場