今年は、どうも空梅雨の気配ですね。水不足が心配になってきました。そんな曇りの一日、久しぶりに明治神宮の森に出かけてみました。ここは大正時代に、本多静六博士らが全国各地から献上された樹木を、計画的に自然の森に育つように植林したものです。それが今ちょうど百年を迎えました。最初の目論見よりも遥かに早く、見事な自然林に育ったのです。はじめに混植された針葉樹は、自然に淘汰されて、次第に広葉樹の林に変わり、林床にはまた新しい天然更新の若芽が育っています。都心とはとても思えない素晴らしい深い森で、先人の知恵は見事に実現していました。
戦後始まった形だけの植樹祭とは、なんという違いでしょう。豊かな自然林を皆伐して、スギやヒノキを植え続けた現場は、どこも今悲惨な状況になっています。この比較検証は、ぜひやってもらいたいところですが、それはともかく神宮北参道の静かな森と、御苑の花をご覧ください。