蔵前バイオ通信 第14号 2011年12月01日

蔵前バイオマスエネルギー技術サポートネットワークの頭文字を採って
K-BETS」を認定NPO法人の略称にしています。
バイオマスに関心のある方に広く門戸を開放していますのでぜひお問い
合わせください。  ホームページURL: http://kuramae-bioenergy.jp/ 

  *******************目次 ***********************
1.Kシステムの実証実験成功し実用化に道開く
2.ボートウィンチの試作成功
3.ホームページの改訂
4.福島支部設置が決まる
5.小金井にエクセルギーハウスが誕生
6.新会員斉藤さんの紹介
7.ホームページの内容と更新状況
8.世界のバイオマス情報佐野レポートから抜粋
(1)IEAが世界エネルギー展望2011年度を発表
(2)シェルがバイオ燃料の将来を予測
(3)ジャパンタイムズ日本のエネルギー政策に苦言************************************************


1.Kシステムの実証実験成功し実用化に道開く


予算をいただいてシステムの実証実験を2回実施した。昨年はチェーンを使った
木材の引き上げか、引き下ろしか一方向の実験だったが今回は上下に滑車をセッ
トし、片側に電動ウィンチを設けてチェーンループを回転させた。その片側に樹
冠付きの木材をカラビナで引っ掛けて引っ張る実験であった10月は飯能の駿河台
大学の学内にある森で傾斜の緩い場所での実験を試みた。
モーターのパワー不足でのトラブルはあったものの基本的な機能は満足のいくも
のであった。第2回目はこれらの知見を生かして11月、同大学が正丸峠に近い所
に所有する聖望の森で実施した。平均傾斜36度の急斜面にループをセットして引
き下ろし作業主体の実験であった。根元と樹冠部分の2ケ所を固定しているので
急斜面で荷が暴走することなく安全に作業が進んだ。幹線ループから外れている
場所から引き込む横引き実験はどんな方向に引っ張るか地元のプロの勘がみごと
に当たってスムーズにできた。ウィンチのパワーをアップするとか無線などを使
った無人化対策とか実用化に向けてスケールアップしていくのがこれからの課題
である。


2. ボートウィンチの試作成功


Kシステムの主役的な存在はボートウィンチである。片側
100m、200mとつなが
ったチェーンを簡単に持ち上げて短時間にループのセットを完了する。
伐採した木材を基幹ル-プ近くまで引っ張るのもこの機械である。国産では無か
ったが昨年から和光機械工業(株)さんが開発に取り組まれて
10月完成されまし
た。和光機械(株) 
http://www.wacoh.ne.jp
主な設備仕様 重量:125kg、最大牽引力:約700kg。エンジン最高出力:.5.2kw


3.ホームページの改訂


ホームページに掲載する記事が多くなり検索が難しくなってきました。もっと読み
やすくするためにカテゴリー別に内容を分類し、欲しい情報に直行できるようにし
ました。ブログも活動内容を紹介する「K-BETS活動ファイル」、バイオマス
情報を集めた「バイオマス図書館」、「世界のバイオマスニュース」、当会の情報
を発信する「
K-BETS
たより」の4部門構成で組み立てます。
12月には新しいホームページが登場します。


4.
福島支部設置が決まる



東北大震災の被害を受けられた地方の方々に何らかの支援を行いたいとの会の強い
意向で福島県に当会の福島支部を設置することが決まりました。具体的な内容はこ
れからですが鹿児島支部に続く2番目の支部になります。



5.小金井にエクセルギーハウスが誕生


自然エネルギーを徹底的に活用したエクセルギーハウスが小金井市に誕生しました。
市民参加で計画がつくられました。床、天井、壁からの輻射冷暖房による健康で快
適な居住空間を提供するハウスですがそこの一部分を当NPOが担当しました。
「雨デモ風デモハウス」と命名されたハウスが完成し公開されました。
http://amekaze.jp/


6.新会員斉藤さんの紹介


斉藤さんは商社にて電力関係の各種業務に通じ幅広い人脈を持たれています。出身
が福島県川俣高校で川俣町の今回の被災問題に関心をもたれています。当会福島支
部関連でのご活躍を期待しています。


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  7.ホームページの更新状況 
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現在内容を更新中のため掲載を制限しています。2件のみ紹介します。
(1)全国で「森林文化都市宣言」している沼田市、鶴岡市、飯能市の3市の市長
による、初めてのサミットが開催されました。取り組み状況、これからの抱負など
が話題になりました。
(2)   「タネが危ない」野口 勲著 吉沢有介要約
野口さんは飯能市で在来種のタネを扱う店舗を経営しています。市販されているタ
ネは味より形に重点が置かれ、遺伝子組み替えで作られているため色々な問題を内
蔵している。


**********  8.世界のバイオマス情報 ********** 


(1)IEAが世界エネルギー展望2011年度を発表
シナリオでは2035年度までに人口が更に17億人増加し発展途上国を中心に輸送燃料
の消費が増大する。石油の時代は継続するがその比重は低下し再生可能エネルギー
などに多様化していく。天然ガスは安定して増えるがその需要は石炭を代替するも
ので中国が多くを占める。水力以外の再生可能エネ発電比率は3%から15%に増加する
が多額の助成金が必要である。ロシアはエネルギー供給の中心地になると同時に節
約をしなければならない。電力を使えない人々にそれを届けるには毎年480億$ほ
どの投資が必要になる。一番の懸念は経済の混乱により計画されているエネルギー
関連の投資が実行できなくなることである。

(2)シェルがバイオ燃料の将来を予測
バイオ燃料が石油代替として重要な存在になるとし、
2020年初頭にはセルローズエ
タノールが登場するとみている。
そのためシェルはこの研究開発に集中している。カナダの大学の研究でも木質バイ
オマスが輸送燃料の有力候補だとしレポートを発表している。

(3)ジャパンタイムズ日本のエネルギー政策に苦言
外国人がみた日本の政策への批判。ほとんど手付かずの地熱資源や小型水力発電適
地が多数あるのに取り組もうとしていない。風力発電でも技術は一級であるのに電
力買取り法案(FIT)が機能せず実用化されてない。
原子力に重点が置かれ資源の多様化に遅れてしまった日本の状況が明白である。

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