ようやく梅雨が明けたら、いきなりの猛暑です。いつもこの時期には、大自然の涼を求めて遠出していましたが、近頃あまりムリはできません。どこか手近かな山はないかと探して奥多摩の「都民の森」を思いつきました。ここは新緑や紅葉の季節にはよく行きましたが、夏は初めてです。しかし標高は1500mたっぷりありますから、気温は下界より10℃は低いはずです。早速出かけてみたら、やはり期待どおりの涼しい別天地でした。
武蔵五日市駅前8,22発の急行バスは、9,30には標高1000mの「都民の森」に着きます。楽しい遊歩道で三頭大滝に出ると、あたりは冷たいマイナスイオンが一杯でした。ここからは流れに沿った「ブナの路」を、ムシカリ峠を経て三頭山西峰1525mに向います。
水量豊かな三頭大滝
ブナの自然林
このあたりは通いなれた道で、せっかく涼しい風なのに脚が重くてなかなか進めません。テニスで鍛えたはずですが、山道はまた違う筋肉を使うようです。いく人かのシニアに抜かれて、ようやく峠に辿りついてホッとしました。ひんやりした大気は最高のご馳走です。
これまでいつもパスしていた西峰を表敬訪問して、そのまま鞘口峠に向かいました。頂上付近のブナは本当に見事で、こんなに近いのにと驚くばかりです。ブナ党はもう大満足。
ところが下るにつれてヒノキの人工林が現れました。めざす探鳥の路も、人工林ばかりです。これではトリが来るはずはありません。隣のコマドリの路も同じです。森の生態を知らないことにあきれてしまいました。まさに看板に偽りありです。急いで下って、今朝歩いた「ブナの路」の自然林に出て、ようやく落ち着きました。トリの声も賑やかです。
「都民の森」は三頭大滝からの「ブナの路」に限り、第一級のコースです。健脚向きの「石山の路」も楽しい。しかしそれ以外は止めましょう。お役人に騙されてはいけません。三頭山では、曇りで遠望はききませんでしたが、森の美しさと涼しさは格別でした。「了」