ロンドン便り その33
昨日、ロンドン中心部のトラファルガー広場に面した、国立美術館を訪問しました。何時も行く度に思うのですが、沢山の歴史的な名画を展示しているにも係わらず、入場料が無料だと言うのには驚きます。正面入り口と、ロビーに寄付金を募る透明な箱がおかれており、「歴史的な名画の維持管理のため、寄付をお願いします」と英語のみで書かれています。英語圏以外の訪問者に判りにくいと思いますが、あえて他の言語で表示しないところが、控えめで、いかにもイギリスらしいと思いました。国立美術館の設立は1842年ですが、現在の建物が完成した1838年にビクトリア女王によって開館され、1897年にはPortrait Galleryも併設されました。第二次世界大戦の時は、ドイツのロケット攻撃を受け、建物の一部が破壊されましたが、戦後まもなく修復され、今日も開館当時の姿を保っています。
1838年に完成した国立美術館の正面入り口
National Galleryより見たネルソン提督のコラムがあるトラファルガー広場
遠景中央に国会議事堂の時計台「ビックベン」
国立美術館の内部は、60の大小の展示室があり年代順に13世紀から20世紀初頭までの歴史的な名画が展示されています。約2500もの絵画が展示されているそうで、展示方法としてユニークなのは、絵画一つ一つには照明がなく、基本的には天窓からの自然光のみとなっています。(天井には照明設備はありますが、冬季の日照時間の短い時期には点灯されます)
それと、ほとんどの展示室の真ん中に、ソファーやベンチがあるので一休みしながら、お目当ての絵画を鑑賞することが出来ます。
これも、イギリス式の「おもてなし」の一つかもしれません。展示されている絵画の画家は、レオナルド・ダ・ビンチ、ゴッホ、モネ、ルノアール、ピサロ、ターナ、ルーベンス、コンスタブルと枚挙に暇がありません。建物内部は全てのエリアが写真撮影禁止なので、残念ながらお見せすることが出来ませんが、インターネットでURLのhttp://www.nationalgallery.org.uk/artists/を入力すれば、現在展示されている絵画全てを見ることが出来ます。(了)