入笠山ハイキング 2013年6月23日 吉澤有介

   いつも気になっているのに、なぜかなかなか行けない山があります。ここもその一つでした。ロープウェイで頂上近くまでゆけるというので、いよいよ足腰がいうことをきかなくなってからにしようと、のんびりと構えていたのです。ところが噂によると、増えすぎたシカのためにせっかくの花の名山が食い荒らされているらしい。これはやばいと、福島さんのブログ「白馬の少年」にあったネット広告オリオンバスに電話してみると、幸いに一人だけ席がありました。梅雨晴れを狙っての、前日ギリギリの申し込みですから、奇跡のようなものです。

 早朝の横浜発のバスに新宿都庁から乗り込むと、たしかに満席。中央高速を一路入笠山に向かいます。1020分に現地に着いてみると、もうこれは山というよりも、まさに観光地でした。シカどころではありません。渋谷とまではゆかなくても、休日の吉祥寺並の人ごみです。誰でも行ける花の名山とあれば、しかたのないことでしょう。

 期待していた湿原は、やはりシカ除けのネットに囲まれ、ゲートをくぐって入ります。

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     シカ除けのゲート            湿原に続く人の列

 しかし残念ながら湿原の花々の寂しいこと、貰ったパンフにあった写真とは大違いです。クリンソウもスズランも、岩田さんの奥日光の見事な写真を拝見したあとでは、とてもご紹介はできません。きっとこれも対策前のシカにやられたせいだったのでしょう。あとは一日も早い復元を祈るだけです。

 それでもさすがに花の種類は多く、クリンソウ、ベニバナイチヤクソウ、アヤメ、ツマトリソウ、スズラン、クガイソウ、ウマノアシガタ、シロバナノヘビイチゴ、レンゲツツジなどなどがひそやかに咲いていました。

 花の写真はあきらめて風景に切り替えましたが、目の前の八ヶ岳も雲に隠れて、なんとか下半身だけ覗けます。北の乗鞍岳、西の御岳、南の甲斐駒もほんの少し見えるだけ、それでもひさしぶりのご挨拶ができてありがたい。にぎやかな山ガールたちや、老若男女の一般観光客のあとを歩きながら、まあこの時期に降られなくてよかったと、美味しい空気を存分に吸いました。

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1955mの頂上は超満員             諏訪湖と高ボッチ

   頂上まで、ゆっくりと往復3時間歩いた帰りのロープウェイ乗り場では、ポップコーンと懐かしいワタアメのサービスがありました。オリオンツアーは初めてでしたが、日帰り5900円で温泉入浴つき、こんな楽チンツアーも時にはありなのでしょう。「了」

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追記   花も一枚だけ載せてみましょう。アヤメです。

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