蔵前バイオ通信 第21号 2013年02月01日

  *******************目次 ***********************

1.新年のあいさつ

2.Kシステム普及次の予定
3.集材活動の動画

4.ホームページからの問合わせが活発に
5.林業再生計画の推進者菅直人さんと懇談

6.汚水の土壌浄化システム法

7.イギリスと日本の違い

8.新会員の紹介

9.ホームページの内容と更新状況

10.世界のバイオマス情報-佐野レポートから抜粋
(1)世界の森林が病んできている
(2)オーストリアSEE社世界初の藻バイオ燃料工場
(3)セルロースエタノールからの燃料製造

(4)2012年のエネルギー技術革新

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1.新年のあいさつ
12月17日の例会の時に2012年を振り返り吉川理事長の挨拶があった。任期途中であったが稲生理事長が健康の問題があり退任した。会が結成以来初めて公募案件にパスし資金を得てKシステム普及活動ができるようになった。
藻類のエネルギー化などを目的とした研究会「アルジェ研究会」と藻類を遊休地を利用して生産する「藻培養支援プロジェクト」を立ちあげた。例会の後の忘年会には21名もの会員が参加して飲み、かつ2013年の抱負を話し合った。
1月28日の新年の例会の挨拶 アルジェリアのテロ事件は残念な結果になった。反政府活動とエネルギー問題がその背景にあると考えられるKシステムは順調に進んでいるが今年は資金調達に努力してもっとシステム自体の改善をはかりたい。

2.Kシステム普及次の予定
飯能での普及会は駆動力をアップした実用レベルのシステムで研修会をしたがこの改造時にトラブルが発生してその対策に追われてしまった。普及会の前日に見込みが立つあわただしい日程で、打ち合わせが不完全のため各種問題点が出てしまった。この反省と不具合部分の修正を行ってもう一度飯能市内で普及会を行う計画、3月に予定しています。その後千葉県の亀山、三井の森にて計画します。

3.集材活動の動画

Kシステム普及活動の状況を動画にまとめてyoutubeに登録しています。(1)第1回群馬県赤城山の県有林にて実施例―上げ荷
当地域は火山の影響で大きな岩が散在する山林での集材です。谷川を越えて集積場所である道路に引っ張り上げる必要があった。架線集材と同等の能力を示していることが分かります。  https://www.youtube.com/watch?v=VX3tLPr6NOc

(2)第2回目埼玉県飯能市原市場の市有林にて実施―下げ荷。
概況説明
http://www.kuramae-bioenergy.jp/news/?p=751

集材体験会の現場動画:https://www.youtube.com/watch?v=aRPMMpBW-3I

体験会場の雰囲気動画: https://www.youtube.com/watch?v=y5OhmL54-VE

4.ホームページからの問合わせが活発
多くの問合わせが届いています、その例は次のようなものです。
例1.福島の放射能汚染で大量に発生した牛糞の処理についてアイデアがないか
例2.海外、トウゴマから油精製の過程で発生する大量の種殻で発電するメーカーを探している
例3.IT関連の企業:農業から発生するバイオマスチップの活用方法
例4.廃校を利用したバイオマス発電など
例5.福井県からKシステムの詳細についての問い合わせ
などがきています。当NPOの本来の目的の一つが技術的なサポートですので大歓迎です。

5.林業再生計画の推進者、菅直人さんと懇談
1月24日前政権で林業再生5ケ年計画を立案実行されてきた菅さんと約2時間懇談し情報交換を行った。Kシステムやガス化炉などの説明を当方から行った。菅さんは林業の現場の意識はかなり変わってきているものの推進するパワーには未だ欠けるとの認識であった。東北の被災地でも予算はたくさん付けているもののどう使うかアイデアのある所と無い所のギャップが大きい。彼が推進中の自然エネルギー研究会の内容、東松山の未来都市構想など挑戦的なプロジェクトについて多くの事例が紹介された。

. 汚水の土壌浄化システム法

NPO日本土壌浄化法ネットワークの木村さんからシステム内容について説明を頂いた。穴を掘ってごみを埋めておくと微生物の働きでいつの間にか分解してしまうことにヒントを得て雑排水を処理するニイミシステムが開発された。それを改良開発して土壌の生態系を利用した浄化センターが地方の自治体や海外に普及してきている。設備費や維持管理が安く小さな地方自治体には向いている方式であるが下水道の補助事業が農水省、国交省、環境省などバラバラに実施されていて宝の持ち腐れみたいな存在になったいるようです。http://www7b.biglobe.ne.jp/~npo-dojo/ 

毛管浄化システム(株)http://www.mokan.co.jp/Kaisyaannai/1.htm

7.イギリスと日本の違い
ミニ講演会の話題として会員の荒川英敏さんから両国のあらゆる面について先進国の中でどのような位置づけになっているのかを写真やグラフを使って説明して頂きました。若いリーダーのもとにオリンピクや政治をぐんぐん引っ張って行っている姿には学ぶべき多くがありました。2月になってからホームページで紹介します。

8.新会員の紹介
弘保慶一郎さん。発展途上国にてODAを活用した中小企業の海外展開をサポート、特に簡易排水浄化などを狙っています。彼は入会して多くの技術情報の入手を期待しています。触媒を開発するのにスーパーコンピューターを使えるのではないかと意欲的な提案がありました。若さとその活力に期待しています。

**********  9.ホームページの更新状況  **********

(1)「拡大する日本列島シカ食害」山と渓谷 1月号  http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=251 
(2)「ゲッチョ先生の卵探検記」盛口 満 著 
    色々な動物の卵について生徒に教えた授業 http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=250 
(3)「植えない森づくり」大内正伸 著
    伊勢神宮の混交林、鋸谷式施業について、新しい林業 http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=249           
(4)「シカと日本の森林」 佐光良三 著
    四国山地のシカの害、保護から管理の時代へ http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=246

(5)「人類大移動」(アフリカからイースター島へ)印東道子 http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=252

(6)木造とマンションどちらに住むべきか 福島 巖     http://www.kuramae-bioenergy.jp/k_column/?p=253

 コンクリートに比べ木造家屋は9年寿命が延びるとの意見あり

 

**********10.世界のバイオマス情報 **********

(1)世界の森林が病んでいる
地球温暖化の影響で広範囲の地域で降雨量が減少している。この影響で本来葉から蒸発する水量が制限を受けてしまい、水やりが足りなくて花が萎れると同じ現象が起き、大規模な立ち枯れが増えている。米西部、アマゾン、地中海沿岸などで顕著である。米国では敵対関係にある木とマツクイムシの勝負が後者の勝つ例が増えていてロッキー山脈以北で被害が大きくなっている。動物の生活環境や谷川の調整能力にまで影響がでている。
(2)オーストリアSEE社、世界初の藻バイオ燃料工場
同社はブラジルのサトウキビ農場にパイロットプラントを作り本格的自動車用バイオ燃料を藻から作り出すことを進めている。世界中で量産できるトップランナーになりそうである。同社はSAT(SEE_Algae_Technology)と称する独自なシステムを煙道からのCO2の分離と濃縮、藻の生産、藻の収穫の3分野に持っている。生産には栄養と太陽光をいかに均等に与えることができるかであり外部の池から培養槽に変えることにより、大きなコストダウンを果たした模様。

(3)セルロースエタノールからの燃料製造

ジュポン社が業界初のトウモロコシの葉茎を原料にした年間3千ガロンのエタノールを一貫して生産できるシステムを導入した。技術の目玉は触媒であることに注目し、新しい酵素を開発できたことによる。NREL(米国エネルギー省)では多くの開発プロジェクトを仕掛けており新しい触媒の開発に意欲的である。実績のあるJ/M社や大学と農林業の廃棄物や都市ゴミなどから燃料変換できる触媒の開発を進めている。

(4)2012年のエネルギー技術革新シェールガスの登場が大きな衝撃をもたらした。再生可能エネルギーも大きく伸びたがシェールガスの影になった部分もある。先を読んで再エネ分野から撤退の動きもでた。期待された電気自動車は裏切られてしまった。再生可能エネルギーも天然ガスとの競争に勝つ必要があり太陽光発電も6¢/kwを下回る努力が必要である。再生可能エネルギーの持つ間歇性のカバーを含めた条件を入れると更に厳しいものになるが技術開発により達成できる企業も出現しつつある。
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新年早々関東地方にも大雪が降った
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