ロンドン便り その101
この度、イギリスのエネルギー気候変動省(DECC)は、2015年の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が記録的な24.7%となり、2014年に比べて割合が5.6%増加したと発表した。増加が顕著だったのは、風力(陸上+洋上)発電量が前年比で26%増え、風力発電だけで住宅980万世帯の電力需要を賄うことが出来る。ちなみにバイオマス発電量は28%、太陽光発電量は86%それぞれ増加してる。
政府機関Renewable UKの副理事長マフ・スミス氏は、「今回のDECCの発表はより多くのグリーン電力を需要家に届けたことになり、全体の電気代も1.4%と僅かながら下がって 来たことは大変喜ばしいことであり、再生可能エネルギー発電のコストパフォーマンスを更に上げ化石燃料による発電は早い機会に終焉させたい気持である。」と述べている。
更に、DECCの発表では2015年10月、11月、12月の3ケ月間の再生可能エネルギー発電の
割合は26.9%で、2014年同時期の発電割合21.8%より5.1%増加しており、やはり風力発電の増加、特に洋上風力発電とバイオマス発電が貢献が大きかった。
図1.イギリスの再生可能エネルギー発電量(2015年は記事からの筆者の作図)
図2.イギリスの陸上・洋上風力発電所のロケーション(2014年12月現在)
イギリスは着実に再生可能エネルギーを増やしており、特に国策として進捗させている 地の利をフル活用した洋上風力発電の伸びは目を見張るものがある。日本も官民挙げて、浮体式洋上風力発電の普及を期待したい。(了)