日本の再生可能エネルギーによる発電が進まない現状(2013年) 吉澤有介

  3月4日のNHKクロズアップ現代で上記テーマがとりあげられました。

太陽光発電
 認定した業者のうち、実際に発電しているのは2割に過ぎないという。規模10kw以上で、すでに600件以上が認定を取り消されていて全く進んでいない。そもそも認定が甘く、書類さえ整っていたら、土地の所有者の同意がなくてもすべて認可した。その事例として35万坪の敷地が、実際には北側の日当たり悪い急斜面で、しかも転用の厳しく制限されている農地であったところも。土地の所有者も、初耳だったという、あきれたケースもあった。それでも経産省も電力会社もノーチェックだった。
北海道日高町で、競走馬の牧場を1億円で購入して、事業計画を立て、北電に買い取りを申請したら拒否された。買取義務はあるが、但し書きとして、電力の円滑な供給ができないときには、限度を設けて断ることができるからである。この事業計画は頓挫した。
 固定買取価格42円/kwhと、風力の2倍にもなること、20年保証というこの制度に殺到した業者らの実態である。

風力発電

送変電網の問題がネックになっている。風力は多くが北海道などの北国が適地になっているが、北国には消費地がない。遠距離の送電になるが、すべて自前で設備しなければならない。1億円/kmもかかる上、保守点検も自前である。

六ヶ所村の日本風力発電kkでも、50基を設置したが、一番近い東北電力の変電所まで40kmもあった。その上変電所の容量が一杯とのことで、それ以上の増設はできなくなった。

ソフトバンクでは、孫社長の指示で、子会社SBエナージーを設立、北海道で400万kwを発電して、消費地である本州に送電する計画を立てた。しかし本州に送る北本連系の容量が足りない。自前で容量を増強すると、5000億円かかるという。これでは事業にならない。

識者のコメントは、電力コストは送変電コストも含めて考えなければならない。遠距離送電は合理的でなく消費地に近い立地とし、地産地消で考えることだ。

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風力発電について最近読んだドイツに関する本に、同じ問題があると指摘されています。北海に風力発電所作っても送電網が、住民の反対で建設が遅れに遅れているそうです。    宮地

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