猛暑がやってきました。これも天変地異の現れでしょうか。
著者は、東京大学史料編纂所教授で、3,11の東日本大震災の前から、古代の地震津波記録を研究しており、ちょうど、「東北学の打ち合わせをしていたところに大地震が発生したのだそうです。そして震災直後のブログで、「日本三代実録」の貞観地震とその前後の大地動乱の記録を詳細に報告しています。私もそのブログで、これまでの地震学者が、いかに歴史の研究をしてこなかったかを知りました。せっかく豊かな文献史料があったのに、まことに残念なことでした。この震災を契機に、はじめて文理融合の研究がその一歩を踏み出したそうです。
本書では、7~9世紀の日本を襲った地震活動期の記録と、それが天皇と社会・政治情勢に、いかに大きな影響があったかを詳細に記しています。地震、噴火や、旱魃による飢饉や、疫病の流行は、怨霊の祟りととられていたのです。歴史の見方も変わることでしょう。
そのなかから年表だけ取り出してお届けします(daichidouran1.pdf、daichidouran2.pdf)。年号など一部を追加しました。最近の日本列島の異変に似ているのには驚くばかりです。巻末の参考文献も有用でしょう。
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「歴史のなかの大地動乱」、素晴らしい本の様ですね。添付された年表に、私の故郷、温泉の都、大分県別府市の象徴である豊後鶴見岳が、なんと2度も噴火していたのには驚きました。確か小学校高学年だったと思いますが、鶴見岳は大昔に大噴火し、流れ出た溶岩で扇山(写真の様に、扇を逆さに広げた様に見えるので、地元ではこう呼ばれています。)が出来たと教えられました。今は休火山と言われていますが、鶴見岳の裏側の噴火口から、今でも、小振りながら、噴煙を上げています。
風光明媚な別府温泉の市街地から見た左が鶴見岳(1375m)と中央の扇山
ご承知の様に、九州の真ん中を横切るように、熊本から阿蘇山、久住連山、由布岳、鶴見岳から別府を経由して、国東半島に抜ける、阿蘇火山帯が貫いています。国の活断層地図でも、別府は二つの大きな活断層の上にあるので、もし、東南海大地震で刺激され、阿蘇山と鶴見岳が大噴火したら、地震と溶岩流と別府湾の津波で別府は壊滅するのではと、危惧されますね。年表で阿蘇火山帯関係を拾って見ますと、636年の阿蘇火山爆発から869年の肥後地震まで、10回に及ぶ大地動乱が起こっているのが判ります。鶴見岳の噴火が起こらないことを、祈っています。貴重な情報ありがとうございました。 荒川 英敏
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