イタリア人ボルタが発明したボルタ電池(1791年)は薄い硫酸水の中に金属板のZnやCuを電極版としてセットすることで得られた。金属が溶けて電子が流れ、電気が発生する。このパワーを如何に高めるかが電池の歴史で苦難の道をたどってきている。
九州大学でアルミ箔(マイナス電極)を使って食塩水で濡らすだけで空気がプラス電極になって電池ができる事を確認した。これだと金属電極が1枚で済むので容量の大きい電池が作りやすくなる。
多くの金属で水と反応して水酸化化合物を作る。Al-Mg-Na-K-Liなどの順番で反応が激しくなる。リチウムやナトリウムなどは激しい反応を引き起こして危険である。マグネシウムは反応するがしばらくすると水の中の-(OH)と結びついて薄い皮膜ができるので反応がそれ以上進行しなくなってしまう。
この問題を解決してしまったのが東北大の小浜教授である。彼はリニヤーモーターの研究者でエアロトレインを扱っていた。この機体はマグネシウムでできている。思いつきでこの破片を海水に浸けた所電流が流れ3週間もモーターが回転していることを見つけた。
機体のマグネシウムには必要上カルシウム成分が混じっていた。MgやCa単体だと酸素と激しく反応するが何故か両者を混ぜると穏やかな反応になる。Mg-Ca金属はお互いに-(OH)との取り合いを演じてMgの反応が著しく制限されてしまのが原因のようだ。このおとなしくなったマグネシウムの反応が持続的な電池として優れた特性を持つことにつながった。電池特性でも従来型の10倍もの能力が発揮できそうで自動車やその他多方面で応用が期待され、大手電池メーカーが実用化に着手している。
以上 最近得た報道番組から要約記事を作りました。 記 福島 巖