ロンドン便り その10
イギリスDECC(エネルギー・気候変動省)の統計で
2011年の再生可能エネルギー発電が記録的な伸びが明らかとなった!
2012年3月31日 荒川英敏
2011年の再生可能エネルギー発電のタイプ別内訳
風力発電容量の大幅な増加は、再生可能エネルギー発電量を過去最高に押し上げた。
イギリスのエネルギー·気候変動省(Department of Energy and Climate Change)は、2011年のエネルギー動向とそれ以降の見通しを季刊エネルギー価格の出版物の中で発表しました。 それによりますと、総エネルギー生産は2010年に比べて13.5パーセント低下しました。エネルギー生産の減少は、石油生産の記録的な減少と並んで天然ガスの生産が過去最低水準まで減少して1967年以来初めて天然ガスの輸入国になった。
このエネルギー生産の低下は、イギリスの純輸入依存度が36.5パーセントと1976年以降の最高水準に達したことを意味しています。
2011年の国のエネルギー消費量は気温が2010年より1.8度暖かかったことによる穏やかな天候だった為、7.5パーセント減少した。もし国のエネルギー消費量を天気の変動分を考慮し調整されている場合は、主要な消費は、2010年レベル比2%減少です。家庭での消費は18.5%減少と急激な落ち込みとなりました。
国のエネルギーミックスの中で低炭素分の再生可能な技術の向上と原子力の貢献は23から28.5パーセントと5.5%増加した。
次世代の再生可能エネルギー・シェアは、2010年レベルから2.5%ポイント上昇し、9.5パーセントと記録的な数字に達しました。水力発電は降雨量が多かった結果として約60%の増加となり、風力発電は54.4パーセント増となりました。洋上風力発電は70%近く増加した。水力発電と風力発電を組み合わせると、2010年の55%以上増加したことになる。
すべての発電量でガス、石炭は、英国のエネルギー生産の70%を占め、原子力は19%を占めている。大手エネルギー供給会社のE.ONとRWEが計画中だった6GWの原子力発電所の中止の発表は、将来の電力の原子力発電のシェアの低下となり、政府の最大で12ケ所の新しい原子炉計画を大きく後退させた。
平均的な家庭の電気代は2011年、£453とほぼ40ポンド増加した。またガス代は£719と60ポンド以上増加した。それでもイギリスの家庭に於ける電気とガス料金は、それぞれEUで4番目の低さである。
DECCは、イギリスの2011年の京都議定書でカバーする6つの温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算で5.492億トンとなり、2010年に比べて7%以上低かったと推定している。 了 Translated by H. Arakawa