著者は1961年長野県生まれ、大学卒業後音楽活動を経て経営コンサルタント会社に勤務しているうちに、日本の農山村の地域資源の将来性に着目。1994年に独立して山梨県の農村に移住し、まず100坪の自給農業を開始しました。
やがて2001年NPO法人「えがおつなげて」を設立して代表となり、壮大な地域振興活動を展開しています。
山梨県を選んだ理由は、首都圏から近くて自然環境が素晴らしいのに、耕作放棄地が全国第2位だったことでした。その中でも白洲町(現在の
この「えがおつなげて」をモデルにして、山梨県では六次産業化をめざす産業振興ビジョンがスタートしました。農山村に眠る豊かな資源に気づいたということでしょう。著者は次の分野で10兆円の産業、100万人の雇用が全国に生まれると確信しています。
①六次産業化による農業(3兆円)
②農村での観光交流(2兆円)
③森林資源の林業、建築などへの活用(2兆円)
④農村にある自然エネルギー、太陽光、小水力、バイオマスの活用(2兆円)
⑤ソフト産業、情報、教育、ITなど(1兆円) にわかには信じられないかもしれませんが、その根拠はすべて著者の実践経験からきています。山梨県の経済規模が全国の100分の一なので、えがおの実績から容易に推定できるというのです。 この山梨モデルは、個人が生き、地域が生き、世界が生きる地域資源活用具体策で、どこでも実施できます。自分が楽しいと思う生き方に仕事がついてくるのです。
補助金を出す側にいた経産省審議官まで、退職して著者のグループに参加したのには驚きました。県、企業、NPO、大学まで連携した壮大な田園都市社会構想がいま動き出しています。「了」
要約 2012、2、15 吉澤有介