生物資源由来のプラスチック
バイオプラスチックは石油から作り出すのではなくバイオマス(生物資源)そのものからプラスチックを作り出すものです。温室効果ガスを余分に発生しない環境にやさしい資源として評価され世界の方向はこれを目指しています。主にデンプンや糖の含有量の多いトウモロコシやサトウキビなどから製造されています。技術的には木、米、生ゴミ、牛乳等からも製造可能であり、最近では生産性の高い藻類からの研究が進められています。ポリエチレンやペット(PET)類の生産は技術的には問題なく、プロピレンは量産化に取り組んでいるところです。
サトウキビから作るバイオポリエチレン(PE)はごみ袋や食品包装フィルムなどは日本だけでも約300万トン使用しています。トウモロコシ、いも類やサトウキビの発酵で得られる乳酸からポリ乳酸(PLA)を作ります。そこから硬質のバイオマスプラスチックを作り出します。透明性と剛性に優れているのでフィルム・シートとして包装資材に利用されています。また家電や自動車の射出成型部品などの分野でも多く使われています。溶剤に溶けるバイオプラスチック包装フィルムにはインキ印刷や接着剤が行われているのでこれらもバイオプラスチックの必要性があります。必要な特性は汎用溶剤や水に溶解すること、エマルジョン化が可能であることです。
生分解性プラスチック
もう一つのバイオマスプラスチックが生分解性プラスチックです。プラスチックは安定した性質で我々の生活に入り込んでいる有用な資源です。しかしその廃棄物は頑丈で腐食しないために問題を起こしています。プラスチックゴミが野生動物の命を脅かし、環境を傷つけていることが目立つようになってきています。
こうした状況を背景に開発が進められてきたのが「生分解性プラスチック=グリーンプラ」です。一般のプラスチックと同様に使用でき使用後には微生物の働きによって分解してしまいます。石油由来のもと生物資源由来ものがあります。主な成分としてポリ乳酸ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉などがあります。
分解できるレベルによって完全分解と部分分解があります。
部分生分解性プラスチックは、でんぷん、セルロース、PVAなどの生分解性材料と通常のプラスチックとの混合物でできています。包装など使い捨てを前提にしたものであるためリサイクル、リユースに向きません。
2010年代後半には、プラスチック製品の売り上げの約10%が生分解性プラスチックになると予想されています。
容器包装リサイクル法
2000年からはPET以外の樹脂についても分別収集が始まっています。中身を分離した後洗浄して管理する必要があります。
生ごみを資源としてポリ乳酸を作る検討が始まっています。品質、収率、コスト等問題が山積していますが将来的には可能性があります。
バイオマスプラスチックの表示基準
1.ポジティブリスト記載のバイオマスプラスチックを使用すること
2.製品中のバイオマスプラスチック度が、25.0wt%以上のプラスチック製品
3.JBPA指定の使用禁止物質を含まないこと
***グリーンプラ製品認定***
有害重金属類を基本的に含まず、生分解性と安全性が一定基準以上にあることが確認された材料だけから構成されるプラスチック製品をグリーンプラ製品と認定し製品にシンボルマークをつけることを許可する制度。