牛糞など家畜糞燃焼による発電の事例 2013年4月15日 進藤

  1.牛糞の発熱量

参考:http://www.leio.or.jp/pub_train/publication/tkj/tkj24/tokus1_24.pdf

(群馬大学工学部エネルギシステム工学新井雅隆教授「畜産環境保全における炭化・燃焼の意義」、畜産環境問題の現状と政策、特集1)

牛糞は、完全に乾燥した状態の発熱量は、3800Kcal/kg
通常は水分70%を含むので1500kcal/kg程度しかなく、補助燃料を使用して燃焼。
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2.
家畜糞による発電実施計画の事例

参考:http://www.nikkei.com/article/DGXNASJC01032_X00C11A9LX0000/

南国興産(本社:宮崎県都城市)が家畜糞(牛、豚、鶏)を燃料として2013年春に国内初の発電施設を稼働させるとの報道がある。(201198日報道)
原料は、牛糞と豚糞を乾燥させ、鶏糞(乾燥)と混合してボイラーで燃焼し、蒸気タービンにて発電する。原料供給量は最大13トン/時(300トン/日、10.2万トン/年)

発電機は、自社の肥料・飼料工場へ電力供給用の出力1500Kwの1基とボイラーの排気設備用として280Kwの1基。ボイラー蒸気の一部は、牛・豚糞の乾燥などに使用。

㈱タクマが発電設備を本社敷地内に建設中。投資額は約35億円で、うち15億円を国からの補助金(農水省の「地域バイオマス利活用交付金」で賄う。南国興産は今後、発電ノウハウの外部提供も検討する。

新施設の稼働で、自社工場の電力自給率は現在の65%から80%になる。飼料工場の家畜内臓などの乾燥用熱源は現在、既存発電施設からの蒸気と重油だが、新施設の稼働後は蒸気使用率が70%からほぼ100%に高まる。

3.南国興産による鶏糞を原料とした発電事例

参考: http://www.nangokunet.co.jp/business/energy.php

2002年(平成14年)4月より稼働。

原料供給量①は300トン/日(約10万トン/年)

燃焼炉③は流動砂をエアーで吹き上げ、700750℃の温度に調整し、そこに鶏糞投入により800900℃の温度で燃焼。鶏糞発電ボイラ―③で発生した蒸気で発電。

発電出力は、1号タービンと2号タービンを合わせて1630Kw。約半分を工場内の各施設へ送電し、残り半分を鶏糞発電ボイラー設備で使用。

このボイラーの設置により宮崎県内全域で発生する鶏糞を回収する事が可能になり県内の環境保全に貢献。

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