山林の野生動物管理について 2013年3月 福島 巖

 シカやサル、イノシシなど野生動物による山林や農業分野の被害が激増していて大きな問題になっている。サル学の世界的権威京大名誉教授河合雅雄氏が雑誌等に述べていることはK-BETSの主張と同じ方向であり、その内容を紹介します。

近年の農業被害は「動物たちの反乱」であると見ています。山林が荒れ、農地が放置されたままになってしまうと生存域に食べるものが無くなり動物は街に出てくるようになっただけです。

(1)  日本人は動物との付き合いが未熟すぎる。森を管理するのに植物については考慮するものの、そこに棲む動物は視野から抜け落ちている。林野庁職員の中に動物のプロが不在であるし、大学にも狩猟学を教えている所が無い。

(2)  世界を見るとほとんどの国に野生動物を管理する省庁が存在する。シカやイノシシを計画的に駆除し管理しているから動物と人間が共存できているのである。

(3)  駆除したシカやイノシシは料理しておいしく食べるなど有効に利用すべきです。

(4)  駆除する人達、現在はボランティアーの猟友会に頼っているが高齢化問題や新規加入者の減少で対応が困難になっている。その代替として自衛隊に担当してもらったらどうだろうか。野生動物による被害は自然災害の一つです。

(5)) 憂うのは科学の進歩による内なる自然破壊-遺伝子工学の危険です。何十万年を経て変化してきたものが進化です。 超短期間で変えてしまうのは想像できないような恐ろしいことが起きる可能性があり心配です。
このような主張を繰り返しアピールしているが各分野、農水省、環境省、防衛省など複雑に絡み合うためか一向に対策に乗り出そうとする気配が無い。

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