真夏のエコハウス、状況はいかに? 2012年8月26日 吉澤有介、本多信一 

  先に本多さんにお聞きした小金井の雨デモ風デモハウスの状況が知りたくて、昨日ぶらりと訪ねてみました。確か昨年の9月に建てていますから、まもなくちょうど一年、真冬の寒さと、真夏の暑さの実験ができたはずです。そこでこの猛暑に立ち会ってみたいと思いました。

猛暑の中をハウスについたのは8241530分でした。この日の東京都心の最高気温は34とのことでしたが、ハウスのオジサンに聞いたら、14時には屋外で36あったそうです。

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初めて見たハウスは、意外にこじんまりした白い瀟洒なたたずまいでした。内部の天井は吹き抜けですが、南側の広いガラス戸をあけているので、網戸から爽やかな風が入ってきます。北側の高い天窓もあけ放しているため、よく風が通るのです。その南側の内壁の温度は30,5でした。たしかにエアコンがなくても過ごせる感じです。その秘密は、屋根の内側に敷かれたスギの皮?への、地下タンクからポンプアップしている雨水の流れで、気化熱を奪うことによる冷却効果でした。ちょうど午後の南からのそよ風があったために、より効果的だったのでしょう。

ちょうどこの日の朝のNHKテレビでみたエコハウスの、屋根裏に敷いたガラスクロスへの散水と同じです。屋根での気化熱冷却効果が大きいことが良くわかりました。

たまたまこの日はホールで、地元のひとたち10人ほどのグループが何か会議をしていました。扇風機もないのに扇子を使っているひとはいません。これなら夏は過ごせるように思いました。夜の熱帯夜も気になったのですが、管理人のオジサンの話では、泊まったひとはいないようです。

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ただ外気をどんどん取り入れる考え方ですから、白い壁の漆喰の中にあるはずの「木の繊維」の断熱効果がどのように効いてくるのかがよくわかりませんでした。冬場は大きな効果があるでしょうが、夏場はどうなのでしょう。断熱壁による遮熱効果はあるように思いましたが。 なお南側のゴーヤの緑のカーテンは、手入れが悪くてほとんど枯れていました。

南側の屋根にある太陽熱温水器は、冬場だけの利用のようでした。これはもったいない。太陽光発電のほうが利用価値がありそうです。

なおこのハウスでは、市民から愛称を募集しているそうです。雨風ハウスは仮の名前だったようですね。   吉澤有介

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雨風ハウス、滄浪泉園訪問記有難うございました。実は私も数日前冷房の様子確認のため、両所訪問しました。前回3月に訪問した時と雨風ハウスの雰囲気が一変したことに驚きました。管理が4月から市民グループから小金井市に変わったとのことです。名称も雨風ハウスから研修施設に変わってました。小金井市のカタログ当施設の計測・検証報告のうち、冬季の温熱環境一般住宅との比較では長期間にわたり室温の上下の動きが少なく断熱・遮熱性能など高い評価です。木の繊維が一役働いてます。また標準家庭とのCO削減効果の比較結果ではほぼゼロCOを達成とあります。太陽光発電を除く冷暖房温水のCO削減率は57.0%~79.2% 太陽光発電を含む削減率は91.2%113.4%でゼロCO達成です。小金井市へのアンケートにはこの施設を育てて小金井市が自然エネルギーハウス発祥の地として全国に広めてもらいたいと要望しました。また隣の滄浪泉自然公園と自然エネルギーハウス連携すれば学園都市小金井の新名所になると提案しました。公園が東京都の所管とはしりませんでしたが。雨風ハウスも東京都の補助金で建てたものす。

               本多信一

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