【竹林増殖問題】バイオマス成長量と竹炭利用  2012年8月13日林業システム研究会 渡辺 雅樹     

  【Ⅰ】竹林バイオマス蓄積量 *注 「現代に生かす竹資源」より
竹林の平均的本数密度:3000~7000本/ha*
栽培竹林・目標本数密度:6000本/ha
1本の竹の重量:平均 約30kg
蓄積乾燥物重量:100ton/ha
利用可能量5年輪伐:20ton/ha(利用可能成長量)*
放置竹林の密度:現状でのデータなし

【Ⅱ】竹林面積
全国 145000ha(2007推定)
1.鹿児島県16,000ha(11%)内孟宗竹林 7,700ha*
2.大分県 13,000ha( 9%)
3.福岡県 10,200ha( 7%)
4.山口県 10,100ha( 7%)
10.千葉県  6,000ha(4%)内孟宗竹林 3,700ha 渡辺推計

【Ⅲ】竹炭の利用可能性の検討

・鹿児島県の竹炭生産量は、年間80トン(2007)で、利用可能な竹材の推定量15万トンに対して0.3%の実績に留まる。(竹材5トンから1トンの竹炭が生産できると仮定して)

・現状での竹炭の利用先は、「竹炭ボード」など、建築用途を開拓しているが、需要先が少ない。

・火力発電用の「混焼燃料用途」は無限大にあるので、生産コストの低減が課題である。

・竹材は、かさばる欠点があり、輸送コストは木材(丸太)3倍以上に高くなる。

 従って、基本的に現場の近くで製品化(竹炭製造)が必須で、『小型の炭化装置』を必要としている。

・竹炭製造後の受入れ先(石炭火力発電所&セメント工場)を開拓し、最短距離での輸送に徹する。

千葉県内の竹林(モウソウチク)を5年輪伐で伐採・搬出すると、(3700×20=)74000トンの竹材が得られる。この8割(6万トン)を竹炭製造に向けると、(20%の製品化率で)12000トンの竹炭が生産できる。竹炭1トン2万円として、2億4千万円の新規売上が潜在的に見込まれる。
【現状までの考察】  経済性の観点で竹炭の利用拡大策は、『生産性の高い伐採・搬出』『小型の炭化炉』の開発である。

 

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