放射能は実態が無いので知覚できない。物質は色、光、音、におい、など何かを持っているのが普通だが、一切なく見分けようがない。その存在や状況を知るには計測器で測定するしかない。事故や災害が発生した時には表示板でしらせるとかラジオやTVで情報を伝達するしか方法がない。
放射線の透過能力
α線(Pu) :紙1枚で遮蔽
β線(I,Sr) :金属板
γ線(X線) :普通の金属は通すが鉛やコンクリートの壁で遮蔽
γ線(Se137、Co60) :人体の深部まで透過するので危険
中性子線 :最も危険なもの、電気的に中性であるため物質の影響を受けずに進む。水で遮蔽
被曝と健康の関係
国際放射線防護委員会(ICRP)の一般人の被曝上限値は
1msv(ミリシーベルト)/年間 と設定されている。
放射線被害で死者が出るレベル
被曝により死者が出始める :被曝量2sv(シーベルト) 1msvの2000倍
被曝した半分の人が亡くなる :被曝量4sv
被曝した全員が亡くなる :被曝量8sv
日本の東海JCOでの臨界事故のとき被曝して亡くなった2人は18svと10svであった。
放射線が人体に与える影響
人間の遺伝子DNAを切断して遺伝子に異常を起こすのが放射線。放射線は半減期を持っていて変化していく。半減期の短いものは短期間に大量のエネルギーを放出するが短いといっても物質自体は永久に消えることはない。体外被曝と 体内被曝の2種類あるが体内被曝ではエネルギー密度の大きいα線とβ線が深刻な被害を与える。
放射線の影響
被曝量は距離の二乗に反比例するので離れていると比較的安心であるが体内に取り込まれた場合その距離が短い分深刻な影響を受けることになる。例えばプルトニウム(Pu)のα線物質が呼吸で肺に入り込めば1mm離れた肺の細胞への被曝量は百万倍に増幅される。
低レベル放射線被曝の危険性
キズを修復する能力があるとか免疫が活性化する(ホルミシス効果)といった意見もあったがこれが誤りであるとの学説がでてきた。人体に影響のない被曝はありえないと思われる。
被曝から逃げるには
風と雨が汚染を拡大する。家の窓を閉める、外出を避ける、濡れタオルでマスクするといった対策が必要である。雨合羽や帽子を着装し、着替えを準備して防備し使った衣服は廃棄する。
チェルノブイリの汚染
ウクライナの穀倉地帯が原発事故で汚染され30km圏内に住む20万人が避難してゴースウトタウンになり1000ケの村が消えた。広島原爆の2600発分の放射能を貯めこみ800発分は環境にばら撒かれた。
記 福島 巖