この実験結果を動画に載せましたhttp://youtu.be/X9xxz1KSTMY ユーチューブを参照してください。5編載せています。
予算をいただいてシステムの実証実験を2回実施しました。昨年はチェーンを使った木材の引き上げか、引き下ろしか一方向の実験だったが今回は上下に滑車をセットし、片側に電動ウィンチを設けてチェーンループを回転させました。
その片側に樹冠付きの木材をカラビナで引っ掛けて引っ張る実験を行いました。
<ボートウィンチでチェーンを上げている所> <電動ウィンチ>
10月は飯能の駿河台大学の学内にある森で傾斜の緩い場所での実験を試みました。モーターのパワー不足でのトラブルはあったものの基本的な機能は満足のいくものでした。
第2回目はこれらの経験を生かして11月、同大学が正丸峠に近い所に所有する聖望の森で実施しました。平均傾斜36度の急斜面にループをセットして引き下ろす作業主体の実験でした。
根元と樹冠部分の2ケ所を固定しているので急斜面で荷が暴走することなく安全に作業が進みました。幹線ループから外れている場所から引き込む横引き実験はどんな方向に引っ張るか地元のプロの勘がみごとに当たってスムーズに成功しました。
ここで今回オーストリアから輸入した特殊な形をしたキャップを使いました。これがノウハウの固まりで木の株を避けたり、一度外れた道にもどってきたりすばらしい働きをしました。
<先端にキャップを付けて下ろしている場面>
ウィンチのパワーをアップするとか、無線などを使った無人化対策とかシステムの実用化に向けてスケールアップしていくのがこれからの課題になります。そのためには設備を整えて林業のプロに委託し、実際の現場で充分使いこなしていただき問題点のピックアップとその解決を図っていくことが必要になります。我々の作業を応援していただいた地元の市役所や森林組合のプロの方々も最初は疑問に思っている顔でしたが実験が進むに従って顔色が変わってきたように観察されました。
記 福島 巌