両者を比較した場合どのような特徴があるか
1. 太陽光からエネルギーを得る仕組み
太陽光のエネルギーを使ってある物質から電子をたたき出し、電位差を利用し
て電気に置き換える原理は両者同じである。
バイオマスの場合葉緑体で吸収されたエネルギーが電子に与えられCO2とH2
Oを結合させてブドウ糖を合成る化学反応が進行する。
2. バイオマスの生産量
地球上に存在するバイオマスは2兆トン。毎年新たに生産される量は2千億ト
ンである。食糧や資材など各種の用途に利用されるが最終的には燃料になる。
3. エネルギー転換効率
植物は主として赤や青の波長の光を利用(結果として緑色が残る)する。
これより長い赤外線などはエネルギーが低すぎて光合成ができない。
変換効率は5%程度であるが作った糖分も半分は呼吸で自ら消費してしまう。
秋からは落葉して光合成が止まる。
年間を通しての日照エネルギー固定率は1%以下になる。
一方太陽電池の変換効率は15~25%にも達しているので比較にならないほど高い。
4. 投下エネルギーと回収エネルギーの効率
エネルギーを得るために太陽電池の場合発電パネル(Si)を作る必要がある。
これを作るのに投下するエネルギーが大きいので投資回収に時間がかかる。
EPT(Energy Payback Time)回収時間:
太陽電池 約6年
バイオマス(樹木) 約1ケ月
樹木の場合植林\-伐採のサイクルの中で少量の投下で済んでしまう。
バイオマスは自然への負荷が極めて小さい優れたエネルギーであることが
分かる。
池内 了 著 「私のエネルギー論」を参考にしました。
記 福島 巖