渋川市の間伐林見学記        2011年5月22日

       

日本林業を活性化するためには間伐を徹底して実施し、大径木に育てることと
同時に間伐で発生した材料を有効に使い資源や燃料として活用することである。

渋川地区で行った間伐がすばらしい成果を上げているとの情報を得た。
渋川市の山主である岩田さんのご好意で実際の現場を見学することができました。
参加者は岩田さん、飯能地区で共同作業しているSさんと我々K-BETS会員
7名合計9人がレンターカー2台に分乗して一日行動を共にした。

 水沢観音と水沢うどん

山林は榛名山の麓、水沢観音のある場所である。

高崎駅から車で行くと昼近くになってしまい有名な水沢うどんの昼食を取る。
この時岩田さんから間伐作業の状況をうかがう。
従来は補助金を得て10年毎に間伐をしていたが個々バラバラにやっていたの
で採算は取れず切り捨て間伐になっていた。

今回路網を整備しながら森林所有者のまとまり(団地)を結成、約30haを一
括して間伐した。
そこで生産できた木材が(量がまとまったため)販売可能になり経費を差し引
いても収益がでて山林所有者に戻ってきた。

国の補助金の支払い条件も今年から変ってきて集約して広域化(5ha以上)、
一定規模以上の間伐・搬出(平均10㎥
/ha以上)が条件になっている。

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     水沢観音 間伐実施林の見学

水沢うどんの店が並ぶ前方にその山があった。県道が走っていて直ぐ横が山林である。
戦後の植林で樹齢はいずれも50年は経過している。
印象的なのは林の中が太陽光線で明るく下草が生えて生き生きしていることだった。
傾斜は緩く林にするにはもったいないような場所である。
路網も古くからのものがそのまま使われていて、きちっと整備されたものではない。

数年前に切り捨てた間伐材がたくさん残っていてK-システムの実験に手ごろだとの
意見もあった。

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        間伐が済んで明るくなった林

NPOフォレストぐんま21の事務所訪問

交流のあるNPO FG21を訪問、理事長の菊川さんから活動内容の話を
うかがった。
その後現場を案内していただき付帯設備や工具類の状況を見学した。

ボランティアが活動しやすいように安全教育や工具整備に力を入れているの
が良く分かった。

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   菊川さんにお話をいただく

新しい風が吹き始めた

岩田さんの情報では今年4月渋川市内に「県産材センター施設」が稼動し始めた。

木材のストック、製材工場、チップ工場、ラミナ加工など一括して処理できるも
ので活躍が期待される。

昨年4月には「木質バイオマス発電所」が東吾妻町で稼動を始めた。
剪定材や廃材からの木質チップを使った13,600kwの発電で全量東ガスが引き取る。
循環流動層ボイラーを利用した発電で年間13万トンの木材チップを使用する。

伊香保のつつじと温泉

岩田さんの案内で伊香保森林公園に移動して榛名の山つつじを見学しました。
これから咲き出すタイミングで楽しめました。
ただ山頂にある見晴らし台は今回の東北大地震の影響で崩れてしまい立ち入り禁止に
なっていた。影響の大きさにビックリした。

伊香保では露天風呂が450円で利用でき疲れを癒すことができました。

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     伊香保温泉の太鼓橋の上で

車中で原発事故や政治、経済の雑談が思う存分できて楽しい一日を過ごすこと
ができました。
岩田さんにはすばらしい計画を作っていただき一同感謝しています。
6時半ごろ高崎駅で解散しました。

            記  福島 巌

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