チェーンソーで伐採された「かしまの一本松」 2018年2月1日 篠崎正利

朝日新聞 2017年12月28日の朝刊に「復興これからも支えて」の見出しで次の記事が載った。
東日本大震災の津波に耐え、復興の象徴として親しまれてきた福島県南相馬市鹿島区の「かしまの一本松」が12月27日、伐採された。
付近一帯が防災林として整備されることになり、樹勢の衰えも著しかった。地元住民が一本松を囲み、別れを惜しんだ。松林は、大半が津波で流されたり、海水につかったりした影響で枯れた。唯一本残った一本は有志らが保存活動を続けてきた。この日のお別れ式では「かしまの一本松を守る会」の五賀和雄会長(77)が「大きな力、心の支えをいただいた。」とあいさつ。伐採された一本松は主に地元住民の表札に使われる。
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NPO K-BETS は松の救済支援に2015年1月14日に竹炭を10袋無償提供した。その時はてっぺんに1m平方の緑が残っていた。2015年夏に夏休み理科教室で鹿島小学校を訪れた際には、もうほとんど枯れかかっていた。
復興工事で先に防潮堤を作ってしまったので、海水が引かなくなり松の根が塩分を吸収する環境に変化した。2016年7月23日現地を訪れた時には完全に枯れていた。伐採される時期を待っているだけだと現地の友人から聞いた。今回のような津波は直ぐ起きることは無く、数百年かかって蓄積した歪が解放して発生するわけだから防潮堤の建設はすぐやる必要のないこと。このような考慮なしで行われた今回の復旧事業は無策であり、生き残りをかけた松にとっては人災だった。以上  篠崎正利

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